カーゴニュース 2024年5月7日 第5239号
C&Fロジホールディングスの事業会社であるヒューテックノオリン(本社・東京都新宿区、安喰徹社長)は4月30日、関東支店(埼玉県越谷市)に大型冷凍車両2台を導入したと発表した。同月26日には納車式を開催した。ハイブリッドシステムやパレット積載数の増加などに向けた技術の採用で、燃費と積載効率、物流品質を向上して持続可能な物流を目指す。
今回導入した大型冷凍車両は、車体に日野自動車製の「日野プロフィアCOOL Hybrid」を採用。南関東日野自動車、矢野特殊自動車、システックの3社の協力を得て、燃費、積載効率、物流品質の向上に向けた7種類の技術を採用した。
具体的には、日野自動車の「ハイブリッドシステム」により、静粛性能と環境性能を高水準で両立。回生エネルギーによる電力で冷凍機のコンプレッサーを駆動し、電力に余力がある場合には走行アシストにも寄与する。2025年度のディーゼル重量車燃費基準の目標値を満たすなど、低燃費を実現している。
また、「ショートキャブ」に加えDENSO製の電動冷凍機と矢野特殊自動車の荷台を採用することで、10m3㎝(積載量約1万2800㎏)のコンテナ内長を確保。積載可能なパレット数を従来の16枚から18枚に引き上げた。大型車9台分の荷物を8台で運搬できるため、運行数の削減による配送効率の向上やCO2削減、冷凍食品のパレット輸送化促進も期待できる。電動冷凍機は車速に左右されない安定した冷凍能力を持ち、予冷時間の短縮に加え、休憩、荷待ちなどのエンジン停止時でも冷却可能。従来のサブエンジン式冷凍機と比較して、CO2排出量を年16t‐CO2削減できる。
さらに、矢野特殊自動車製の薄型高性能断熱材を採用。従来比の半分の薄さながら同等の断熱効果を持ち、広い積載容積を確保した。このほか、冷気の循環を最適化することで輸送品質を向上する矢野特殊自動車製の「エアサーキュレーションシステム」や、フェリー輸送に対応したフックや外部温度計も装備。加えて、コンテナの屋上にシステックの移動体太陽光発電システム「ロジソーラー」を装着し、発電した電力を車両のバッテリーに充電。バッテリーの電圧が低下する頻度や時間を短縮し、オルタネーターの負担を軽減することで、燃料使用量を削減する。
同社では今後、新型車両の各機能の効果を測定・検証したうえで、新たに導入する予定の車両への展開を検討する。
購読残数: / 本
恐れ入りますが、ログインをした後に再度印刷をしてください。