カーゴニュース 2025年5月1日 第5335号
サカイ引越センター(本社・堺市堺区、田島哲康社長)は4月22日、新ユニフォームの発表会を都内で開催した。当日はユニフォームの詳細説明やファッションショー、タレントの武井壮さんを招いたパフォーマンスを行った。新ユニフォームはミズノ(本社・大阪市住之江区、水野明人社長)と共同開発したもので、機能性やデザイン性の向上を通じて多様な人材を確保し、輸送力不足が懸念される「2024年問題」に対応。今月からの運用を予定する。
サカイの従来の制服は、青色をベースにしたキャップとシャツ、長ズボンによるセットアップだった。これまで、デオドラント機能による消臭効果や反射テープを施すなど、作業快適性や安全性向上で機能的なマイナーチェンジを施している。
今回、制服のリニューアルにあたり、2023年の10月に社内でプロジェクトチームを結成。コンセプトを「引越スタッフは接遇のできるアスリート」に定め、若手従業員のアイデアやベテラン従業員の要望を積極的に取り入れたほか、複数企業が参加した全社的なコンペティションを行った。その結果、従業員の4分の3以上から指示されたデザインを提案したミズノを開発パートナーに選んだ。
新ユニフォームのデザインには、「引越し=力仕事」という従来のイメージから「オシャレでスポーティーな専門職」に変えるため、Z世代の「もっとオシャレに働きたい」という声を反映。また、黄色と黒を基調としたカラーリングに変更した。機能面では、作業中に繰り返される「かがむ」「持ち上げる」などの動作に注目し、ミズノが持つダイナモーションフィット技術によってそれらの運動特性を分析し、運動負荷を軽減しながら引越作業の運業効率を損なわない設計を採用した。
広告効果の高いデザインで若年層にアピール
サカイ引越センターの立川睦史執行役員事業副本部長兼東日本本部長は「物流だけでなく様々な業種・業態で人手不足が叫ばれている。新ユニフォームは若者や多様な人材にフィットするデザインを採用した。また、視認性が高い黄色と黒を用いたことで〝動く広告塔〟となり、未来の社会を支える子どもたちがエッセンシャルな仕事の意義を認識する機会となる」と説明。そのうえで「従業員の健康と安全を確保し、愛社精神を育みエンゲージメントを向上させる狙いもある。また、シャツのストレッチ性を向上し、長ズボンからハーフパンツに変更することで、作業効率向上と熱中症予防を実現する」と述べた。
説明の後にはファッションショーが行われ、サカイ引越センターの配達スタッフの中から選ばれた、優れた技術を持つ「引越マイスター」2人と現業講師4人が新ユニフォームを着用し、冷蔵庫やテレビなどの家財道具を持って登場。最後にはスペシャルゲストとして武井氏が新ユニフォームを着て登場し、会場を盛り上げた。実際にサカイ引越センターでアルバイトをしていた経験があるという武井さんは「お金を稼ぎながら体力をつけたいと思って引越しの仕事を選んだ」と告白。階段がない高層マンションで荷物を運んでいたなど当時のエピソードを披露した。新ユニフォームについては「機能性が向上して発汗にも強そう。夏場の引越し作業は汗だくになって大変だが、クールで格好良く作業ができそうなイメージがある」と述べた。
その後、引越マイスター2人と武井さんによる3番勝負が行われた。まず引越用段ボールを組み立てて本を詰めた後に運ぶスピードを競い、次にシーリングライトの梱包の速度と美しさで勝負。最後に大型冷蔵庫の梱包と搬送の速度を競った。
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