現行収受運賃料金と希望との乖離状況

カーゴニュース 2024年4月2日 第5230号

東ト協連/運賃動向調査
8割の事業者が希望額より「運賃低い」

標準的な運賃、4割が適用難しく

2024/04/02 08:00
トラック輸送 団体

 東京都トラック運送事業協同組合連合会(東ト協連、椎名幸子会長)はこのほど、第40回「運賃動向に関するアンケート調査」の結果を公表した。アンケートは200事業者を対象に行われ、172事業者(86・0%)が回答。前回調査(2023年7月31 日)から6ヵ月後の1月31日に実施した。調査結果によると、現在収受している運賃料金について、希望よりも「低い」と答えた事業者は「極めて低い」「低い」「少し低い」を合わせて84・2%で前回と同率となっており、厳しい状況が依然として継続している〈表〉。

 

 最近半年間の運賃収受状況の変化については、「値上げになった」が前回から4・1 pt減少して27・6%となり、増加基調にあった前回までの結果から減少に転じた。一方で、これから半年後の運賃収受状況に関しては「値上げできるだろう」が34・6%となり、前回から10・4 ptの2ケタ増となるなど、収受状況の改善に期待が寄せられている。なお、最多は「特に変わらないと思う」で57・4%だった。

 

3割が運賃交渉「認められた」、前回調査から倍増


 国土交通省が公示した「標準的な運賃」については、「適用したい」が46 ・0%で最多。「適用しない」は4・2 pt減の5・5%だった。また、「適用したいができない」は4・6 pt増の28・8%となり、「適用できるかわからない」(17・8%)と合わせて4割強の事業者が適用の難しさを意識していた。「標準的な運賃」の届出状況については、「届出した」が72・8%で最多だったが、前回より4・4 pt減少。「届出しない」は8・0 pt増の21・0%となり、2割の事業者が届出に消極的だった。荷主への交渉結果では、「認められた」が28・3%で前回から14・0 pt増と倍増。「認められなかった」は28・3%で12・2 ptの大幅減となり、両回答が同率で並んだ。前回は「認められなかった」が40・5%だったことから、全体の交渉結果は改善に向かっている。

 

半年後の荷動き、6割が現状継続見込む

 

 半年前と比較した荷動きの動向については、「ほとんど変わらない」が54・9%で最多となり、前回(54・8%)並みの結果だった。一方、「かなり悪くなった」「悪くなってきている」の合計は30・3%で4・0減、「よくなった」「かなりよくなった」の合計は14・2%で4・0 pt増となり、わずかではあるが荷動きの改善を感じている事業者が増えている。半年後の荷動きについては「ほとんど変わらない」が60・5%と最多で、6割の事業者が現状の継続を見込んでいる。

 

ドライバーの平均年齢50歳以上が6割に

 

 ドライバーの平均年齢では、「50歳以上~55歳未満」が43・5%で最多となり、前回から5・5 pt増加。次いで「45歳以上~50歳未満」が24・2%で、8・3 pt減となった。続いて「55歳以上~60歳未満」が12・4%、「40歳以上~45歳未満」が11・8%、「60歳以上~65歳未満」が3・%、「65歳以上」が2・5%、「35歳以上~40歳未満」が1・9%となり、「35歳未満」は前回同様0%だった。50歳以上のドライバーは62・1%で、前回から5・4 pt増加して6割に達するなど、高齢化に歯止めがかからない状況が続いている。

 

「24年問題」への対応半数の事業者が実施

 

 「2024年問題」の対応状況については、また、「手立ての方法・手段が見つからない」は19・2%で14・8 pt減となった一方、「対応済」が21・8%となり、前回(1・9%)から19・9 ptの大幅増。「一部対応策を実施」(28・2%)と合計すると50・0%となるなど、半数の事業者が何らかの対応策を実施していた。ドライバーのベースアップについては、最多は「行った」で29・%となり、前回から5・9 pt減。「行う予定」は16・4%で2・6 pt増だったものの、合計で46・%と前回より3・3 pt減少した。賃上げ額は平均9100円で、前回から1400円増額。また、ベースアップを「行わない」と答えたのは25・2%だった。

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