カーゴニュース 2024年6月27日 第5254号
日本産業車両協会(御子神隆会長)がまとめた、2023年(暦年)のフォークリフト国内生産・国内市場の動向によると、生産額は2487億700万円(前年比7・4%減)、生産台数は10万5152台(16・9%減)で、いずれも前年を下回ったことがわかった。産業車両全体の生産額が3824億9200万円(0・5%増)とわずかながらも増加し、リーマンショック以降では最高の数字を達成したことと比較すると、フォークリフトの国内生産はやや低調であったことがうかがえる。
エンジン式の大幅減が全体の台数に影響
フォークリフトの生産台数の内訳をみると、バッテリー式は前年より0・4%増の6万7373台だったが、エンジン式は3万7779台で前年より36・5%も減少した。
また国内販売台数は、全体では前年の11・3%減の7万3678台となり、7年ぶりに8万台を下回った(図1)。動力別にみると、ガソリン式が5490台(47・4%減)、ディーゼル式が1万2675台(30・3%減)とエンジン車が大幅に減少した一方、バッテリー式は5万5513台(2・0%増)と、台数を伸ばしている。このように、生産台数、販売台数ともに、エンジン車の落ち込みが顕著だったことがわかる。
さらに動力別の販売構成比率をみてみると、バッテリー式が前年から10pt近く伸長し75・3%となり、販売台数の4分の3をバッテリー式が占める結果となった(図2)。
バッテリー式への置き換え進む
バッテリー式の比率が伸びた要因として、ひとつは産業車両用エンジンの一部供給停止の影響があったものと考えられる。加えて、カーボンニュートラルやESG投資の促進などの社会的潮流がバッテリー式の需要を後押し、エンジン式からバッテリー式への置き換えが進んでいることも想定される。
バッテリー式のタイプ別販売構成比をみると、カウンタータイプが前年から2・5 pt増の52・5%と、全体の半数以上を占め、リーチタイプ(43・3%)との差は9・2 ptに広がった。このことからも、エンジン式からバッテリー式への置き換えが進んでいる様子が感じ取れる。
また、動力別・トン数別の販売構成比をみると、ほとんどのクラスで前年よりバッテリー式の割合が増加しているが、とくに2t~2・5t、3t~4tのクラスで大幅に増えていることがわかる(図3)。これまではエンジン式が選ばれていた中型クラスでもバッテリー式が選択される傾向が強まっているようだ。
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