カーゴニュース 2024年10月17日 第5284号
キャムコムグループで3PL事業を手がけるロジテック(本社・東京都港区、川村将臣代表取締役)は11日、「平和島センター」(東京都大田区)で稼働を開始したROMS(本社・東京都品川区、前野洋介代表取締役)製の高速立体型ピース仕分け機「ナノ・ソーター」をメディアに公開した。これにより、レンタルDVDの仕分け業務における省人化と業務の高品質化、ミスの削減、運営コスト抑制を実現した。今後は運用を重ねたうえで、他商材での活用を検討する。
運営コストを最大3分の1まで抑制
「ナノ・ソーター」は、約16㎡から設置でき、1時間で700~800ピースを仕分けることができる高層ピース仕分け機。「平和島センター」は、全国を対象としたレンタルDVDの発送センターとして、レンタルDVDを約200万枚保管しており、1日約4万枚、約3500~5000件を出荷している。基本的な業務フローでは、出庫指示が出たDVDを人手でピッキングや検品を行い、梱包した後、「ナノ・ソーター」によって約100ヵ所の配送エリアごとに自動で仕分けている。
「ナノ・ソーター」には300ヵ所の間口が設けられており、作業員がDVDの梱包袋のラベルに記載されたバーコードをスキャンして投入口に流すと、配送エリアごとに割り当てられた間口のコンテナへ格納する。出荷時に必要なコンテナを呼び出すと、コンテナが自動で作業員の手元まで運ばれ、中に入っているDVDは出荷用のカゴに詰め替えられて発送される。
従来は30人程度の人員で行っている作業だが、同仕分け機の導入で省人化を実現。大規模なマテハンと比べて初期費用やランニングコストを抑えられ、人手による作業での人件費と比較した場合、月々の運営コストを約半分から最大3分の1程度まで抑制できるという。ロジテックは今後、運用を重ねたうえで「ナノ・ソーター」を他商材での活用も検討していく。
自動化・標準化で女性など多様な人材が採用可能に
今回の「ナノ・ソーター」導入の背景について、三浦克伴執行役員は「人手による仕分けでは時間がかかるほか、ミスが発生しやすく、荷主から庫内業務の品質を高めてほしいとの要望もあった。ミスの抑制と作業品質向上のため、自動仕分け機導入に向けてROMSとの連携を開始した」と説明した。親会社のキャムコムグループは人材派遣を主な業務としているが、三浦氏は「当社は業務のすべてを自動化せず、自動化機器で作業を平準化し、人と機械とが共存する環境を整備することが重要だと考えている」と強調。川村代表取締役はROMSとの連携について「自動化機器と人材派遣は本来なら商売敵だが、機械に任せられるところを機械に任せ、人間にしかできない業務は人間が行うように使い分けることで、『ロジテック以上ROMS未満』の業務を求める顧客を、両社共同で掘り起こせるようになった」と述べた。
また、川村代表取締役は物流業界の課題となっている人材不足に触れ、「我々のグループは人材を集められることが強みだが、それも次第に難しくなっており、他の会社はもっと苦戦しているはず。自動化機器により作業が容易となることで、女性や高齢者、外国人など幅広い人材を採用することが可能となる」と説明。そのうえで、今後は親会社の事業による人材確保と自動化機器による業務品質の高さを強みに、荷主に3PLを提案していく方針を示した。今後の自動化機器の導入予定については「まずは『平和島センター』でのROMSとの取り組みを発展させていく」とした。
購読残数: / 本
恐れ入りますが、ログインをした後に再度印刷をしてください。