25年3月期2Qの営業利益増減要因

カーゴニュース 2024年11月14日 第5292号

SGH/25年3月期2Q
エクスポランカ業績回復で2ケタ増収に

通期はC&F連結化などで増収増益予想

2024/11/13 17:00
決算 宅配・ラストワンマイル コールドチェーン

 SGホールディングス(本社・京都市南区、栗和田榮一会長)の2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比10・0%増の7080億円、営業利益が0・7%増の391億円、経常利益が1・8%減の387億円、純利益が前年同期比増減なしの254億円となった。主力のデリバリー事業は、宅配便が消費低迷による取扱個数の減少や委託コストの上昇などで減収減益となった一方、ロジスティクス事業はエクスポランカ社の海上・航空フォワーディング事業が急回復し、業績を押し上げた。通期業績では、10月から新規連結化したC&Fロジホールディングスの業績が寄与することなどで、増収増益の着地を予想する。

 

 セグメント別では、デリバリー事業は売上高5004億円(0・9%減)、営業利益294億円(14・6%減)の減収減益。宅配便の取扱個数が個人消費の低迷などを反映して3・9%減の6億5200万個となったほか、協力運送会社への委託単価を引き上げたことが減収減益につながった。一方、宅配便の平均単価は、4月に届出運賃の改定を行ったことに加え、大口顧客を中心に適正運賃収受の取り組みが進捗したことで、前年同期比13円増の658円となった。宅配便以外の運送事業であるTMSの売上高は10・8%増の604億円と好調だった。

 

 国際物流を含むロジスティクス事業は、売上高1661億円(56・3%増)と大幅な増収となったほか、営業利益も前年同期の赤字から34億円に黒字転換した。海上・航空ともフォワーディング事業の取扱量が増えたほか、紅海情勢の影響で海上から航空へのシフトが進んだ。不動産事業は上期に保有不動産の売却を実施したことから、大幅な増収増益を達成した。

 

 通期業績は売上高1兆4700億円(前期比11・6%増)、営業利益900億円(0・9%増)、経常利益910億円(0・2%増)、当期純利益600億円(3・0%増)の増収増益を予想。10月から新規連結化したC&F社の寄与分として、売上高590億円、営業利益で23億円の押し上げ効果を見込むほか、エクスポランカ社の海上・航空FWD事業も引き続きの好調が継続する。宅配便の取扱個数は4%減の13億2000万個とマイナスを見込む一方、平均単価は14円増の662円を想定。TMSの売上高は6%増の1200億円を予想した。なお、C&F社の寄与分については、同社の売上高を単純合計したのみで、シナジー効果については織り込んでいない。

 

次期中計でC&Fとのシナジー創出へ

 

 8日に行われた電話会見で、取締役経営企画担当の川中子勝浩氏は、C&F社との今後のシナジー創出に向け、26~28年度の中期での時間軸でC&F社の営業利益を120億円のレベルまで引き上げる方針を示した。具体的には、追加投資による冷凍・冷蔵倉庫面積拡大やEC・宅配領域での拡大、国際輸出入案件の増加などの施策を通じて収益の拡大を進める。

 

 また、来期からスタートする次期中計「SGH Story 2027」の方向性について、川中子氏は「低温物流ソリューションの拡大、グローバル物流の基盤強化に注力していく」と説明。グローバル物流については、従来のフォワーディング中心のビジネスモデルからトータルロジスティクスまで領域拡大を図っていく。さらに、事業セグメントを見直し、これまで国内ロジスティクス事業とグローバル物流事業を「ロジスティクス事業」として一体的に扱っていたが、来期以降はC&F社を含めた国内ロジスティクス事業とグローバル物流を分割する方針を示した。

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