カーゴニュース 2024年11月19日 第5293号
NX総合研究所(本社・東京都港区、田中博之社長)はこのほど、2024年9月に実施した調査に基づく「企業物流短期動向調査(NX総研短観)」を発表した。調査は国内の荷主(製造・卸)の主要2500事業者を対象に行い、9月初旬で695社から回答があった。出荷量の動向を示す「荷動き指数」〈グラフ〉をみると、24年7~9月の荷動き実績はマイナス15となり、4~6月実績のマイナス12と比べ3pt低下した。10~12月の荷動き見通しはマイナス7となり、7~9月実績よりも8pt上昇する見込み。
23年以降の推移をみると、23年1~3月実績以降は7期連続で2ケタのマイナスとなるなど低迷した。これに対し、24年10~12月見通しはマイナス7と上昇の見込みが示された。一方で7~9月はマイナス7の見通しから実績はマイナス15と下振れていた。10~12月の実績も下振れる可能性を含んでいると言える。
精密機器、食料品・飲料、生産財卸はプラス転換か
業種別の出荷量の実績と見通しは〈表〉の通り。24年7~9月実績と24年10~12月見通しを比較すると、実績がゼロ水準の精密機器が見通しはプラス13、実績がマイナス6の食料品・飲料が見通しはプラス9、実績がマイナス4の生産財卸が見通しはプラス8とそれぞれプラスに転換。また、プラスには至っていないが、木材・家具、繊維・衣服、電気機械、その他の製造業などの上昇が見込まれる。
一方、輸送用機械は7~9月実績のマイナス3が10~12月見通しはマイナス11、化学・プラスチックは実績のマイナス5から見通しはマイナス7へと低下すると見込んだ。金属製品と一般機械は実績と見通しは横ばいの推移と予測した。消費関連貨物の荷動きに若干の上昇傾向がうかがえるものの、全体の荷動きは回復とまでは言えなさそうだ。
モード別利用動向はマイナスながら総じて改善
一般トラック、特積みトラック、宅配便、鉄道コンテナ、内航コンテナ・RORO船、国内航空の輸送機関別に利用動向をみると、7~9月実績は全機関がマイナス、10~12月見通しも同様と見込んだ。ただ、7~9月実績と10~12月見通しを比べると、一般トラックは6pt、特積みトラック、宅配便、鉄道コンテナは3pt、内航コンテナ・RORO船は1ptとそれぞれ上昇し、全体では改善の動きもうかがえる。
10~12月のコスト割合は微増の見込み
売上高に対する物流コスト割合は、7~9月実績の動向指数はプラス47で前期(4~6月)実績より2pt低下。一方、10~12月見通しはプラス48となり、7~9月実績より1pt上昇と小幅ながら上向くと見込んだ。
業種別にみると10~12月見通しは、窯業・土石、パルプ・紙、電気機械、鉄鋼・非鉄、生産財卸、化学・プラスチック、食料品・飲料が前期7~9月よりも上昇、金属製品、精密機械、消費財卸が横ばい、繊維・衣服、一般機械、輸送用機械、木材・家具が低下すると見込んだ。
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