カーゴニュース 2024年12月3日 第5297号
自民党の物流倉庫振興推進議員連盟(会長=浜田靖一衆議院議員)は11月26日、衆議院第一議員会館で第21回総会を開催した。日本倉庫協会(日倉協、藤倉正夫会長)、日本冷蔵倉庫協会(日冷倉協、浜田晋吾会長)、全国定温倉庫協同組合(定倉協、太宰榮一理事長)の倉庫業界3団体が出席し、業界の要望を伝えた。日倉協と日冷倉協は、今年度末で期限切れとなる中小企業投資促進税制と中小企業経営強化税制、地域未来投資促進税制の延長・拡充を要望するとともに、適切な価格転嫁の促進などを要望した。定倉協は、人件費、電力費などの高騰に伴う保管コストの上昇を踏まえた適正な保管量水準への改善を要望した。要望を受け、議連の浜田会長は「物流倉庫は重要な社会的インフラであり、サプライチェーンの中核として重要な役割を担っている。我々は要望実現に向け全力で努力していく」と挨拶した。
日倉協の藤倉会長は「議連の尽力により、協会が要望していた『トラックGメン制度』を11月1日から『トラック・物流Gメン制度』に改組していただいたことに感謝申し上げる」と謝意を表した後、改正物流法の規制的措置が施行される来年4月以降「トラック・物流Gメン制度なども活用し、倉庫事業者の労務費などの価格転嫁が円滑に推進されるよう対処をお願いする」と述べたほか、労働力不足への対応策として特定技能制度への倉庫業の追加を求めた。
日冷倉協の梅澤一彦副会長は、コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業やサステナブル倉庫モデル促進事業の継続と予算の確保・増額を要望した。加えて、物流の「2024年問題」対策では、トラック偏重ではない物流効率化に配慮することや、パレット化によるコスト増について、荷主や倉庫事業者など関係者間で適切に負担するよう要望した。また、太陽光発電による再生可能エネルギー自家消費への補助や、余剰電利用に対する電力料金の割引などを要望した。
定倉協の太宰理事長は、2025年度の入札予定価格の決定に際しては、コスト高騰に対応し「本来あるべき適正な保管量水準への改善」を要望。加えて、「2024年問題」に関連した様々な課題に関して「ルールづくりを行い、とくに一貫パレチゼーションの導入検討に際して倉庫会社に不当な経費負担が発生しないよう指導をお願いする」と強調した。
議連は会合の締めくくりに国会・政府に要請する緊急決議を採択した。事業支援に向けた取り組みとして、①改正物流法の施行に伴い、倉庫業界に連携・協力するよう荷主への周知徹底②トラック・物流Gメンの活動を通じ、倉庫業者の価格転嫁と取引適正化を推進③特定技能制度へ倉庫業を追加するなど外国人材の活用促進④物流拠点政策の議論を通じ、倉庫業者に対する支援策を検討⑤中小企業投資促進税制・中小企業経営強化税制を延長⑥地域未来投資促進税制を延長⑦再生可能エネルギー賦課金を製造業と同様の減免率にすること⑧政府所有米穀の保管量水準の適正化――などを掲げた。また、物流GX・DX促進に向けた補助事業の満額確保や補助金の上限引き上げをはじめ、脱フロン・脱炭素化推進事業予算の満額確保と中小向け補助率の2分の1へのかさ上げ、非常用電源装置などの導入支援措置の確保を盛り込んだ。
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