ソールタイプⅡ認定品には「チェック01」が表示される

カーゴニュース 2024年12月19日 第5302号

話題
現場ニーズと安全性を満たす規格に

プロテクティブスニーカー規格を改正

2024/12/19 07:00
安全・BCP 団体

 労働安全保護具のメーカーで構成する日本保安用品協会(JSAA、藤井信孝会長)と、その下部団体で先芯入り作業靴を取り扱う企業で構成する日本プロテクティブスニーカー協会(JPSA、利岡和範会長)は今年10月、先芯入り作業靴の安全性を認定する「プロテクティブスニーカー規格(JSAA規格)」を改正した。

 

 「JSAA規格」は、安全靴のJISの性能に準ずる安全基準や耐久性を有する製品の普及を目的に制定された規格で、JSAAが管理・運営する。甲被材料や底材の耐久性がJISの安全靴より低く設定されており、運送業や構内運搬、建設現場、食品加工など、普通作業・軽作業の作業靴に適した規格だ。

 

アウトソールの耐滑性に新区分

 

 今回の改正では、従来の合成ゴム製アウトソール(表底)の規定を「ソールタイプⅠ(耐燃料油性ゴム底)」とし、従来の規定から「耐燃料油性能」を除外した「ソールタイプⅡ(非耐燃料油性ゴム底)」を新たに制定した。

 

 靴が滑る要素には「油」や「粉体」、「氷面」などがあげられるが、アウトソールの耐滑性の判定には「燃料油」の数値が採用される。この基準をクリアすることで耐滑性が発揮されることになるが、この「油」「粉体」「氷面」はそれぞれ「滑る仕組み」が異なるため、たとえば、氷面の耐滑性を高めようとグリップ力のある素材を採用すると耐燃料油性が低くなってしまい、油を使用する環境で使用するとアウトソールが原形を留められなくなり、安全性が損なわれる。今まではつま先の保護性能などはすべて基準をクリアしていても、JSAA規格の耐燃料油性能を示す「浸せき試験」をクリアできないと認定品にはならなかったが、このように、現場の環境に合った耐滑性の先芯入り作業靴を作っても安全性の認定を得られないのは、メーカーやサプライヤー、ユーザーにとって不利益をもたらす可能性がある。そこでJPSAは、運営委員会、推奨事業適正化委員会での賛同を経て、協会内に専門部会を設置して協議を開始。「油を使用しない現場での使用を前提に、他の安全性が担保されていれば認定しても良いのでは」との結論を得られたことから、新たに「ソールタイプⅡ」の区分が誕生した。

油の環境では使用しない

 

 JPSAは、「『ソールタイプⅡ』が新設されたことで、粉体や氷面環境での耐滑性能をより高めた認定品の製品化が可能となり、屋外作業などの安全性の向上が期待できる」と話す。一方で「『ソールタイプⅡ』のプロスニーカーは油を使用する現場では絶対に使用しないこと、これをサプライヤーとユーザーの双方が理解しなければならない。それらが正しく理解されるように、独自のピクトグラムや様々な表記のルールを作成した。新たな区分ができたことで『JSAA認定品=油に強い』とは言い切れなくなった。とくに『ソールタイプⅡ』の製品を販売するサプライヤーは、販売時だけでなく販売後もユーザーに注意喚起することが大切だ」と強調する。

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