帝国データバンクはこのほど、4月時点における人手不足に対する企業の動向調査の結果をまとめた。正社員が不足している企業の割合は51・0%で、前年同月比0・4pt減となったものの、5割を超えて高止まり傾向が続いている。業種別では、ITエンジニア不足が顕著な「情報サービス」が71・7%でトップ。「運輸・倉庫」は6位で63・5%だった。1年前の63・1%からは微増となっている。
24年3月時点の労働力調査(厚生労働省)では、就業人口は前年同月から20ヵ月連続で増加した。働き手の拡大が人手不足の緩和につながっている可能性が示唆され、実際に新規求人倍率や有効求人倍率(同)は23年より低下している。今後も同様の傾向が続けば人手不足の割合は低下傾向に転じることも考えられる。
一方、高水準が続いている業種は引き続き人手不足が顕著で、IT人材不足が深刻な「情報サービス」や「2024年問題」に直面している「建設」「運輸・倉庫」を筆頭に、インバウンド需要の高まりを受けて「旅館・ホテル」「飲食店」でも際立っている。人手不足が常態化すれば業績の維持・拡大が期待しにくくなるため、中長期的に人材確保や業務効率化に向けた対策を講じられるかが、今後の事業継続を大きく左右するとしている。
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