会見する松本社長(左)と栗和田会長

カーゴニュース 2025年4月1日 第5327号

SGHD/新中計
27年度に売上高1・8兆円、営利1100億円

ロジ&グローバルでM&Aの効果創出に注力

2025/03/31 16:00
総合物流・3PL 経営計画・戦略 宅配・ラストワンマイル

 SGホールディングス(本社・京都市南区、栗和田榮一会長)は3月27日、2025年度から27年度までの3ヵ年を期間とする中期経営計画「SGH Story 2027」を公表した。前中計で実施したC&Fロジホールディングスや台湾大手フォワーダー・モリソン社の株式取得などを踏まえ、「トータルロジスティクスの高度化とグローバル物流の基盤拡大」を基本方針に据えた。数値目標は最終年度となる27年度に、連結売上高1兆8300億円、営業利益1100億円、当期純利益700億円、ROE12%、ROIC8%の達成を目指す。同日都内で開いた会見で松本秀一社長は、「この3ヵ年では、前中計で実施した大きな成長投資の果実をとる、キャッシュを生み出す期間と位置づけており、(M&Aなどの)大型投資は考えていない」と述べた。

 

 新中計は、2030年度を目標とした長期ビジョンの実現に向けた第2ステージとして、前中計で実行したM&Aなど成長投資の効果を創出する期間に位置づけた。重点戦略として、①宅配便のサービス競争力の拡大と効率化による収益基盤の強化②低温物流ソリューションの拡大による国内屈指のコールドチェーン構築③国内ロジスティクスの付加価値向上とTMS事業領域の拡大④グローバル物流の顧客基盤拡大と収益性向上――などを掲げた。

 

 宅配便を中心としたデリバリー事業では、新たな成長領域として「リアルコマース」「越境EC」「低温物流」を設定し、この3領域で年間1億7000万個の取り扱いを目指す。このうちリアルコマースは、外国人旅行者を中心とした観光・レジャー市場を対象とした宅配便需要を取り込む。27年度の宅配便取扱個数は13億5000万個(24年度比3・8%増)、平均単価は702円(同6・2%増)を想定。宅配便以外の輸送事業であるTMSでは、24年度比で2割増の1500億円を目指す。

 

 低温物流ロジスティクス事業では、グループ化したC&Fロジのネットワークを基盤にグループシナジーを加速させることで、国内屈指のコールドチェーンを構築。低温ECや低温共同配送を拡大させることで、27年度での同部門の売上高を2200億円(同25%増)、営業利益を130億円(65%増)に引き上げる。国内ロジスティクス事業でも、既存顧客への提案高度化や拠点拡大などにより、売上高700億円(同20%増)を目指す。

 

 グローバル物流では、25年度中に株式取得を実施するモリソン社と、エクスポランカ社とのシナジー創出を進め、フォワーディング物量の拡大による収益性向上を図る。

 

 期間中の投資は総額2610億円を計画。うち成長投資が1610億円、更新投資が1000億円で、成長投資では新中継センターやマテハン・自動化設備投資、冷凍・冷蔵車両の増車などに充当する。

 

 会見冒頭で挨拶した栗和田会長は「社会やステークホルダーなどから『あの会社があってよかった』と思われる社会インフラであり続けたい。C&F社やモリソン社のM&Aによって今後の持続的成長に向けた機能はおおむね備わった」と述べ、今後3ヵ年で成長投資の効果を加速させていく考えを示した。

「SGH Story 2027」の数値目標

25年3月期通期予想値を修正

 

 SGホールディングスは3月27日、2025年3月期連結業績予想を修正した。売上高を前回予想から80億円増の1兆4780億円に引き上げた一方、営業利益を30億円減の870億円、経常利益を30億円減の880億円、当期純利益を40億円減の560億円にそれぞれ下方修正した。売上高はフォワーディング事業における海上・航空運賃が堅調に推移したことで予想値を引き上げた。また、利益面ではデリバリー事業のリソース確保のための人件費などの追加的な費用を織り込んだため、予想値を引き下げた。

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