カーゴニュース 2025年4月3日 第5328号
国土交通省、経済産業省、農林水産省は1日、物流改正法に含まれる改正物流効率化法の一部を施行した。荷主、連鎖化事業者(フランチャイズチェーンの本部)、貨物自動車運送事業者等、貨物自動車関連事業者(倉庫、港湾運送、航空運送、貨物鉄道)などすべての物流関係者に努力義務を課し、物流の「2024年問題」の解決と2030年度を見据えた物流改善を促す。施行に先立ち、国交省と経産省は3月27日に物流改正法の解説書を両省のHP上で公表。同31日には農水省も加えた3省で物流効率化法の改正点をまとめたポータルサイトを開設した。ポータルサイトでは、荷主、連鎖化事業者、貨物自動車運送事業者等、貨物自動車関連事業者ごとに実施すべき事項をまとめ、わかりやすく解説を施した。
すべての物流関係者に改善努力を促す
改正物流効率化法は今月1日から、すべての荷主・物流事業者に、①積載効率の向上など②荷待ち時間の短縮③荷役などに要する時間の短縮に努めるよう求める。これらの取り組みにより、トラックドライバー1人当たり年間125時間の拘束時間の短縮(1運行の荷待ち時間・荷役等時間を2時間以内、1回の受け渡しごとの荷待ち時間・荷役等時間を1時間以内)を図るとともに、全体の車両で積載効率44%の実現を目指す。なお、概算では5割の車両で積載効率50%を実現すると44%の達成が可能となる。
1年後の26年4月(予定)からは、一定規模以上の特定事業者に対する措置(義務)を実施する。該当する荷主・物流事業者は届出を行い、国は「特定荷主」「特定連鎖化事業者」「特定貨物自動車運送事業者」「特定倉庫業者」として指定する。特定荷主および特定連鎖化事業者は取扱貨物の重量が9万t以上、特定貨物自動車運送事業者等は保有車両数150台以上、特定倉庫業者は貨物保管量70万t以上とすることとしている。いずれも物流改善の中長期計画を5年ごとに提出し、定期報告を行う義務がある。
取り組みが不十分な企業には国が是正指導
国の指導も強化される。特定事業者に指定された企業は、努力義務として課せられる措置(荷待ち・荷役等時間の短縮や積載効率の向上等のために講ずる措置)に関する取り組みが著しく不十分な場合、国が是正指導の勧告を行う。勧告に従わなかったときは社名を公表し、正当な理由なく措置をとらなかったときは措置実施を命令する。命令に違反したときには、100万円以下の罰金が科せられる。
また、国は特定事業者が指定や指定の取り消しを行う場合や、すべての事業者に努力義務として課せられる取り組みが著しく不十分である場合は、必要な範囲で事業者から報告を求め、当該事業者の事業場に立入検査を行うことができる。なお、報告をしない場合や虚偽報告を行った場合または検査を拒否した場合には50万円以下の罰金が科せられる。特定事業者に指定されていない企業でも、改善に取り組まなければ立入検査を経て特定事業者に指定される可能性がある。
CLOを選任しない企業には罰則も
特定荷主と特定連鎖化事業者に指定された企業は「物流統括管理者(CLO)」を選任する義務が課せられる。CLOは「役員などの経営幹部」から選任され、物流全体の改善に関わる業務全般を統括管理する役割が求められる。中長期計画の作成をはじめ、トラック輸送の効率化やドライバーの負荷低減などに資する管理体制を整備する義務を負う。CLOの選任規定には罰則が定められ、選任しない企業には100万円以下の罰金が科せられ、選任の届出を怠ると20万円以下の過料に処せられる。
改善へのインセンティブも設ける。荷主企業・物流事業者による物流改善の取り組みや実施状況についてランク評価による「見える化」を行い、企業の努力が消費者や市場からの評価につながる仕組みを創設する考えで、26年4月までに制度化することとしている。
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