レセプションで鏡開きも

カーゴニュース 2025年4月3日 第5328号

国際通関業連合会世界会議を京都で開催

通関業界の各種テーマでパネルや講演

2025/04/02 16:00
グローバル物流 セミナー・イベント 団体

 国際通関業連合会(IFCBA)の世界会議が3月25、26、27の3日間、京都市左京区の国立京都国際会館で開催され、加盟国から720人が参加した。日本通関業連合会(通関連、岡藤正策会長)がホストを務めた。「国境を繋ぐ:通関業者の戦略的コネクションの価値」を会議テーマとし、①ジェンダー平等と多様性②EPA(経済連携協定)③AEO(認定事業者)――などのトピックスに関するパネルディスカッションを行った。

 

知見共有し、ベストプラクティスを公開

シンデIFCBA会長

 25日の理事会・総会の後、歓迎レセプション開かれ、代表者による鏡開きが行われた。26日の会議では、開会にあたりシャンカー・シンデIFCBA会長が挨拶し、1973年に開催されたWCO(世界税関機構)総会で税関手続きの簡素化、調和のための国際条約である「京都規約」が採択されたことを振り返り、京都の地でIFCBAの世界会議を開催することの意義を強調。「世界貿易の促進」という共通の目標を議論することを表明した。

岡藤会長

 通関連の岡藤会長(阪急阪神エクスプレス)は、「今年の日本は例年になく寒い日が続き、桜の開花が遅れている。まもなく桜が咲き誇るように、この会議で実りある議論がなされ、国際協力の新たな始まりになることを心より願っている」と挨拶。「通関業者は国際物流の円滑化、国境を越えて橋渡しをする役割を担っている。国際物流がますます複雑化する中、官民協力のもと貨物の円滑な流通と、適正な通関手続きを確保する必要がある。この世界会議は、知見を共有し、ベストプラクティスを公開するとともに、今後の課題や機会を議論する重要な場を提供する」とし、パートナーシップを構築し、効率的で調和のとれた貿易環境の実現に意欲を見せた。

高村関税局長

 財務省の高村泰夫関税局長は、「国民の安全・安心の実現」「適正かつ公平な関税等の徴収」「貿易の円滑化」という税関の3つの使命について説明したうえで、その達成には民間セクターとのパートナーシップが重要であるとあらためて指摘。コロナ禍を経て貿易が再拡大し、多くのEPA・FTA(自由貿易協定)の締結、経済安全保障の高まりも踏まえ、「健全で安全な貿易の実現へ、通関業者をはじめ国際物流を支える民間セクターの果たす役割がより重要となっている」と期待感を示した。

 

通関業者の未来、「専門知識」がカギに

ウェスト氏(左)と御厨氏

 続いて御厨邦雄前WCO事務総局長による基調講演、キャロル・ウェストIFCBA事務局長との特別セッションが行われた。御厨氏は通関業者を取り巻く環境の変化とその位置づけを時代ごとに説明したうえで、「通関業者の未来を語るカギは『専門知識』にある。EPAやFTAを推進し、原産地規則の知識を使い、複雑な規制の中でかじ取りしていく重要な役割を担っていく」とエールを送り、品質管理など誠実性や信頼、包摂性へのアプローチも通関業界にとっては重要であるとした。

 

 特別セッションでは、御厨氏がウェスト氏や会場参加者からの質問に答え、「貿易の円滑化は重要であることに変わりはないが、貿易の予見性が揺らいでいることが脅威だ」と指摘。通関業者の在り方として、「(荷主が)通関業者を使わないという選択肢もあるが、そのことにより(通関業者は)質を高めてより良いサービスを提供しようという競争優位性が生まれる」、「貿易の環境がますます複雑化し、専門知識を用いて情報提供するコンサル的な役割がより重要になってくる」などと展望した。

 

ジェンダー平等と多様性は共通の価値提供

「ジェンダー平等と多様性」テーマにパネル

 続くパネルディスカッションでは、「ジェンダー平等と多様性」をテーマとし、 通関連理事の渡辺啓子氏(熊本大学監事)、Clive Coke前ジャマイカ通関業・貨物運送業会会長、 世界銀行IBRD/IDAエコノミストのNora Dihel氏がパネリストとして登壇。モデレーターを近田春実関税局税関調査室長が務めた。

 

 Coke氏はジャマイカでの経験から、「ジェンダー平等と多様性は、通関業界において健全な共通の価値を提供している」と述べ、貿易円滑化の目標を満たし、競争力の強化につながることを強調。通関連の渡辺理事は、個性の発揮が重視される外資系企業での経験を話し、通関連で取り組んできた女性通関士支援事業やダイバーシティの取り組みを報告。ダイバーシティ推進について「通関業界では進展のスピードが遅く、もっと前進しなければならない」と呼びかけた。Dihel氏は女性通関士に関するインドでの研究成果や、国境でのハラスメントの実態について紹介した。近田氏は、「ジェンダー平等や多様性について見直すことは、社会的観点からだけでなく、ビジネス上のメリットがある」と強調し、さらなる取り組みへの期待を語った。

 

 このあと、旭化成リードエキスパート(通商・関税)の田中雄作氏が「通商環境変化と企業の対応策」をテーマに講演。「EPA:経済連携協定」をテーマにしたパネルディスカッションには、香川里子関税局経済連携室長、Sun Hwa Cho韓国関税庁国際局渉外部副部長、NuCov Facili-Trade 主席コンサルタントのJoshua Ebenezer氏がパネリストとして登壇し、モデレーターを馬場義郎神戸税関長が務めた。

 

 27日には、AEO制度に関するパネルディスカッション、貿易の電子化、AIに関する講演、「価値、強さ、戦略的な繋がりを持つ未来を見据えて」と題するパネルディスカッションが行われた。

続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
第一倉庫株式会社 日本通運 uprのピーアール。 鉄道貨物協会 第一工業株式会社 アライプロバンス ジェイエスキューブ プロテクティブスニーカー協会 センコン物流 TUNAG for LOGISTICS 国際物流総合展2025 富士物流のホームページにニュースを提供中!! ゼネテック 日通NECロジスティクス提供 物流用語集