カーゴニュース 2024年6月6日 第5248号
日本内航海運組合総連合会(内航総連、栗林宏 会長)がまとめた2023年度の主要元請オペレーター(内航貨物事業者)58社による内航輸送実績によると、貨物船(39社)は1億9816万9000tとなり、22年度比で1%の減少となった〈表〉。上半期(23年4~9月)は横ばいで推移し、下半期(10月~24年3月)は3%減だった。主要7品目のうち、「自動車」「燃料(石炭・コークス)」は増加したものの、「鉄鋼」「原料(石灰石等)」「紙・パルプ」「雑貨」「セメント」が低迷し、実績を押し下げた。
実績を品目別にみると、「鉄鋼」は鉄鋼製品の需要が低調で在庫高が解消されず、上半期は低水準で推移。下半期にやや持ち直したが、低気圧の影響から次月に繰り越す動きがあり、天候の影響による船舶のひっ迫感も見られたことで、輸送量は3523万6000t(5%減)だった。
「原料(石灰石等)」は「鉄鋼」「セメント」の需要低迷に伴う減少が継続。下半期はスラグの輸送が増加に転じたものの、4399万5000t(5%減)と前年から減少した。「燃料(石炭・コークス)」は需要の回復から年間を通じて安定した輸送量を保ち、1752万3000t(14%増)の2ケタ増を確保した。
「紙・パルプ」は161万t(3%減)。紙自体の需要が低調で減少が継続した。一方で、バイオ燃料向けの木材の輸送が旺盛であることから、全体では増加に転じる月もあった。「雑貨」は2619万9000t(5%減)と減少。一般雑貨での消費財の度重なる値上げが影響し、年間を通して低調に推移した。下半期は、一部では船舶の事故や故障から運航スケジュールの乱れが起きていた。コンテナでは、前年で顕著だった円安を背景とした自動車部品のCKD(Complete Knock Down)輸出の横待ち輸送が収束しつつある。
「自動車」は供給制約が解消され、需要回復により増加傾向にあったことから、4700万9000t(6%増)と増加。一方、年末以降は一部メーカーの不正問題の影響による工場の稼働停止に伴い低調に推移した。「セメント」については、工事案件はあるものの、人手不足や資材・部材の価格上昇による入札の不調が影響し、2659万5000t(7%減)となった。
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