カーゴニュース 2024年8月6日 5266号
ヤマトホールディングス(本社・東京都中央区、長尾裕社長)と日本航空(JAL、本社・東京都品川区、鳥取三津子社長)、およびJALグループのLCCであるスプリング・ジャパン(本社・千葉県成田市、浅見達朗社長)は1日から、羽田空港と新千歳空港、北九州空港間で、ヤマトグループが導入する貨物専用機(フレイター)の運航を開始した。
3社は今年4月11日から成田空港、新千歳空港、北九州空港、那覇空港をつないでフレイターを1日9便体制で運航しており、羽田空港が5番目の就航地となる。今後は1日13便で運航し、最終的には1日21便体制に拡充する方針。
同フレイターは、羽田空港を発着する国内唯一の貨物定期便となる。既存の旅客機が運航しておらず、成田空港が使えない深夜帯に運航することで、日中の製品の製造時間や農水産物の収穫・水揚げ時間などを確保したまま、より遠方に高鮮度の状態で商品を流通させることが可能となる。また、成田空港や羽田空港を午前中に出発する国際線ともスムーズに接続することが可能で、商圏拡大や地域産業の活性化にも貢献できる。
フレイターはエアバスA321‐200P2F型機で、旅客機から貨物専用機に改修。芙蓉総合リースからヤマト運輸がリースする形で導入し、運航はスプリング・ジャパンが担う。最大搭載重量は2
8tで、ヤマトの場合、10t車5~6台分の貨物に相当するという。
北海道の特産品を道外へ空輸する実証も
ヤマト運輸と北海道エアシステム(HAC)は7月31日から、HACの小型旅客機の貨物スペースを活用した北海道内の輸送ネットワークと、ヤマト運輸のトラックやフレイターによる輸送ネットワークを組み合わせ、道内各地の特産品などを道外へ輸送する実証を開始した。第1弾として、奥尻島発の実証輸送を開始。HACが奥尻島から小型機で輸送した特産品を、ヤマトグループのフレイターが新千歳空港から羽田空港に深夜に空輸し、到着後にヤマトが国内や海外へ輸送する。これにより、北海道産の特産品などの道外や海外への商流拡大による地域経済の活性化を図る。
今後は、実証輸送を行う空港を利尻空港や女満別空港などにも拡大していく。
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