カーゴニュース 2024年8月6日 5266号

国交省
軽貨物への規制内容固める

「安全管理者」選任、来年4月施行へ

2024/08/06 09:00
行政 トラック輸送 宅配・ラストワンマイル

 国土交通省は7月31日、貨物軽自動車運送事業適正化協議会の第4回会合を開き、4月26日した改正物流法に基づく軽貨物運送業者への規制内容を明確化した。軽貨物が当事者となった事故防止を図るため、軽貨物運送業者は営業所ごとに必ず『軽貨物自動車安全管理者』を選任することを義務化した。新規で事業を開始する場合、地方運輸支局への事業届と同時に安全管理者を選任する必要がある。現在、すでに事業を行っている軽貨物事業者に対しては安全管理者の選任を法令施行後2年間猶
予する。

 
 個人事業主の場合は事業者本人が安全管理者を兼任することになる。安全管理者は国が定めた講習実施機関が行う講習を受けることが必要。多忙な事業者が受講しやすいよう、講習は24時間受講可能なeラーニングを導入する。


 なお、一般貨物自動車で事業を行う運送会社の運行管理者が軽貨物の安全管理者を兼ねる場合でも講習の受講は必須となる。また、安全対策強化の観点から、これまで軽貨物運送では義務化されていなかった新規雇用、65歳以上、死者や負傷者が生じた事故を引き起こした、などのドライバーの指導・監督と適性診断の受診を義務付ける。

 

 そのほか、一般トラック並みの安全対策として、業務記録の作成・保存、事故記録の保存、一定規模以上の事故について国への報告を義務化する。業務記録と事故記録は、事業者の負担を軽減するため、ひな形となる記録ツールを国交省HPからダウンロードできるようにする。規制的措置は来年4月に施行する予定で、関係省令を整備している。


 会議冒頭で挨拶に立った鶴田浩久物流・自動車局長(写真)は「改正物流法が5月15日に交付された。同法には軽貨物運送事業の安全確保の観点から従来は行っていなかった規制的措置を盛り込まれ、今後は施行に向けて制度設計を進めていく」と述べ「軽トラック事業者は全国で22万事業者あるが、8割以上は個人事業主だ。個人事業主も含めて事故削減を図るため、新たな法規制がなされた。規制の実効性を確保するためには、まずは規制内容を事業者によく知っていただき、次いで事業者に
とって規制が過度な負担にならないようにする工夫が重要だ。そのための方策を協議したい」と述べた。 

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