カーゴニュース 2024年9月24日 第5277号
全日本トラック協会(全ト協、坂本克己会長)は18日、「全国トラック協会長会議」を都内で開催した。当日は各都道府県のトラック協会の会長などが出席し、行政からの出席者も交え、トラック運送業界の課題や改善に向けた今後の取り組みなどについて活発に意見を交わした。
会の冒頭、挨拶に立った坂本会長(大阪運輸倉庫)は、7月に逝去した星野良三前会長について「最後までトラック業界の行く末を案じていたとお聞きしている。大変お世話になり、御冥福をお祈りする」と哀悼の意を表した。その後、「今日は行政の取り組みについての説明を通じて、皆様からこれから先をどうするのかといったご意見を前向きに頂戴したい。皆様と想いをひとつにするのが今回の会議の目的だ」と会議の意義を述べた。
続いて、国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課の三輪田優子課長と同省道路局高速道路課の松本健課長から、トラック行政の取り組みの現状について説明が行われた。三輪田氏は、4月から始まったトラックドライバーの時間外労働の上限規制に触れて「年間の上限となる960時間を使い尽くしかけている会社もあるかもしれない。今一度、業務の見直しや荷主へのお願いといった対策を講じてほしい」と呼びかけた。
また、「トラックGメン」の機能・体制強化にも言及。11月と12月に控える集中監視月間に向けて、トラックGメンのレベルアップを図るとともに、各都道府県のトラック協会が選任する「適正化事業調査員(仮)」と今後の取り組みについて意見のすり合わせを行っていく方針を示した。
さらに、今年度からトラックGメンの研修を始めるにあたり、三輪田氏は「公正取引委員会などから講師を招きノウハウの伝授してもらうといったプログラムを検討している。来年度からはトラック協会の調査員にも参加していただき、ともに情報共有や知識のレベルアップを重ねてワンチームの体制を構築するためにも、ぜひご協力をお願いしたい」と呼びかけた。
松本氏は高速道路関連の取り組みについて「大口多頻度に対する割引の拡充措置は皆様から非常に多くの要望をいただいており、今年度末までの措置を実施している。次年度以降は、来年度の予算編成過程において検討を進めていく。予算確保に向けて、皆様からの支援をお願いしたい」と要望。見直しが行われた深夜割引については「今年度の運用開始に向けて高速道路会社と準備を進めている」と説明した。
その後、全ト協交通環境部が、飲酒運転および〝黄金のペットボトル〟をはじめとしたゴミの
ポイ捨て問題について、各協会の取り組みを説明。また、各協会長から全ト協や行政に対し、高速道路の大口多頻度に対する実質50%割引への要望や成田空港の輸入貨物の引き取りにおけるトラック予約システム導入の周知への協力といった意見が寄せられた。
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