カーゴニュース 2024年11月28日 第5296号
横浜港エリアでは山下ふ頭の再開発に伴い、本牧ふ頭A突堤で最新鋭の倉庫が竣工ラッシュを迎えている。横浜港の2024年上半期(1~6月)のコンテナ取扱個数は前年同期比3・0%増の150万個となり昨年来の好調を維持。旺盛な需要を取り込むのに有利な立地で、定温化や天井クレーンの装備、環境への配慮など高付加化を追求した新倉庫の集積が注目を集めている。
ヤマタネは7月1日、「本牧埠頭営業所」を開設した。延床面積1万9584㎡。定温空調設備を備え、国土交通省より物流総合効率化法に基づく総合効率化計画の認定を受けた施設となる。
「BELS」の最高ランクである5つ星および「ZEB Ready」の評価を取得しており、「CASBEE」A評価を取得。庫内すべての照明に人感センサー付きの照明機器を使用するなど、一次エネルギー消費量を省エネ基準の50%以下まで削減した。
ケイヒンは9月1日、「本牧埠頭流通センター」(横浜市中区)を開設した。延床面積2万3827㎡で定温庫(1万8522㎡)を有し、高付加価値商品に対応する。
制振構造を取り入れたほか、BCP対策として非常用発電機を設置するとともに、環境負荷低減の取り組みとしてLED照明を採用。太陽光発電設備の導入も予定。商品の入庫から保管・出庫までの荷役作業・流通加工さらには配送手配まで対応する。
東海運は9月2日から、「横浜港流通センター」が稼働した。延床面積約1万4800㎡の鉄骨造4階建て。定温庫、天井クレーン付きの梱包棟を備え、グループの横浜港エリアにおける基幹拠点と位置づけ、国際一貫物流サービスの強化を図っていく。
倉庫内の2階と3階にそれぞれ2室ずつ定温庫(計約3000㎡)を設置。15t対応の天井クレーンを備えた梱包棟には、従来から協業関係にある梱包業者が入居し、機械やメーカー設備などの輸出貨物をターゲットに東海運と共同で営業開発を行う。
澁澤倉庫は10月31日、「本牧営業所」が竣工した。延床面積約2万2656㎡の地上4階建て。定温・定湿フロアを備え、商品の品質を維持するためのドックシェルターおよびオートシェルターを各2基のほか、定温・定湿フロア専用の垂直搬送機を備えている。
屋上に太陽光パネルを設置し、蓄電池と組み合わせて運用。倉庫内照明には人感センサー付LEDを採用、屋上緑化、電力のグリーン化など環境に配慮した運営を実現。「CASBEE」 横浜Aランク(新築)認証、「ZEB認証」といった環境認証も取得している。
山九は2025年2月に「横浜物流センター」を開設する。施設面積は2万921㎡(倉庫1万7025㎡)。省エネと太陽光発電などを利用した創エネにより、エネルギー消費削減率100%以上となる見込みで、「BELS」と「ZEB認証」取得を申請予定だ。
なお、A突堤では、キョクレイが21年3月に、FC級兼用庫および多温度帯対応の小部屋保管庫を保有する「本牧物流センター」を稼働。日新は同年6月、定格荷重80tまで対応可能な天井クレーンを導入し、大型庇を備えた「横浜重量物梱包センター」を竣工。川西倉庫は同11月1日に定温機能のほか、燻蒸設備を備えた「京浜支店ベイブリッジ営業所」を開設している。
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