カーゴニュース 2024年12月10日 第5299号
イトーヨーカ堂(本社・東京都品川区、山本哲也社長)は5日、ネットスーパー配送事業を手がけるONIGO(オニゴー、本社・東京都世田谷区、梅下直也代表取締役)と新たなデリバリーサービス「ONIGO上のイトーヨーカドーネットスーパー」を2025年2月上旬から開始すると発表した。サービス提供にあたり、両社は11月27日に資本業務提携を締結。すでに両社は配送事業で協業関係にあるが、事業スキームを再構築し、イトーヨーカ堂が撤退を表明しているネットスーパー事業から切り替える形で、商品配送サービスを共同展開する。
スキーム再構築で「継続できるサービス目指す」
同日に行った発表会で、イトーヨーカ堂取締役執行役員商品本部長の伊藤弘雅氏は今回のデリバリーサービスについて「当社の商品調達力や信頼性、首都圏における店舗網と、ONIGOのデリバリーシステムやオペレーション能力、スピード、事業開発力といった強みをかけあわせて、さらに一歩進んだ配送サービスを展開する」と述べた。
イトーヨーカ堂は10月、収益化が見込めないことにより、ネットスーパー事業からの来年2月での撤退を発表済み。伊藤氏は「2001年に店舗型ネットスーパーから開始した事業だったが、売上は順調に拡大するも、注文数に対して配送キャパシティが不足していたり、ネット注文と店舗で商品のニーズに差があることで商品が足りなくなったり、オペレーションの増加で店舗に負担がかかるなど、多くの課題があった」と説明。改善に向けて同事業専用の物流拠点である「新横浜センター」(横浜市都筑区)を23年8月に開設し、センター型ネットスーパーへの事業転換を進めた。
36店舗分の配送能力を持つ同センターの稼働と、店舗を中継拠点に据える体制の構築である程度の課題解消はできた一方、惣菜や生鮮品などを中心に取り扱える商品数が減少するなどの新たな課題が生まれ、「専用センターにかけるコストが厳しく、将来的にも収益化が見込めないことから、撤退に至った」(伊藤氏)と述べた。事業撤退後の「新横浜センター」の扱いについては検討中としている。
今回のネットスーパー事業への〝再挑戦〟について伊藤氏は「ユーザーから『定期的に利用しているため撤退しないでほしい』という声を多くいただいた。これまでの反省を活かし、ONIGOと連携して新たなネットスーパーを再構築することで、継続できるサービスの提供を目指す」と述べた。
最短40分で配達、商品価格の〝割高感〟抑制へ
「ONIGO上のイトーヨーカドーネットスーパー」は、首都圏などのイトーヨーカドー83店舗、ヨーク10店舗の計93店舗の商品を対象に、Webサイトおよびスマートフォンアプリで注文された商品を、最短40分で配達する。イトーヨーカ堂は商品供給、ONIGOはシステム運用や商品のピッキング、実配送を担当。対象となる商品は約8000~9000SKUを予定し、食品以外にも日用品や乳幼児・ペット用品も配送する。このうち、食品などの頻度品を中心とした約2000品目は、なるべく店舗価格に近い価格を維持して提供する。
通常は注文から70分程度での配達だが、即配オプションにより最短40分での配達も可能。翌日・翌々日配送にも対応する。また、雨天時など注文が急増し、配送枠が埋まってしまう問題については、配送方法に従来の自動車に加え、2輪車での配送も併用することで配送可能な件数を拡大する。利用料金は、注文金額6000円以上で送料330円、5001円~6000円未満で490円、5000円未満の場合は少額手数料490円が加算される(いずれも税込)。今後は介護用品や医薬品、専門店の商品、ネット専用の商品の配達も検討するほか、商品の魅力を伝えるリテールメディアの展開も視野に入れる。
ONIGOの梅下代表取締役は「従来の配送サービスにはユーザーから『配達は早いが商品の料金が割高になる』という意見もあったが、今回のサービスでは、注文の多い商品などを対象に、商品価格をなるべく抑えて提供することが可能となったことが、これまでになかった大きなポイントとなる」とサービスの特長を紹介。今後は新サービス専用のWebサイトとアプリの立ち上げを予定する。
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