カーゴニュース 2025年2月6日 第5314号

公取委
ANAのNCA買収を条件付きで承認

米国向け貨物スペースを競合に提供

2025/02/05 16:00
M&A 航空 グローバル物流

 公正取引委員会は1月30日、ANAホールディングス(本社・東京都港区、芝田浩二社長)が進めている日本貨物航空(NCA、本社・千葉県成田市、本間啓之社長)の買収計画に対し、独占禁止法に基づく排除措置命令を行わないと発表した。日本発米国着路線で特定の航空会社に対し、貨物搭載スペースの一部を提供することを条件に買収を承認するとしている。

 

 ANAHDは2023年3月、日本郵船(本社・東京都千代田区、曽我貴也社長)の子会社であるNCAの全株式取得を発表。当初は同年10月の子会社化を予定していたが、規制当局による独禁法の審査が長期化したことで、これまでに4度の延期が行われている。

 

 公取委は今回、株式取得に関する審査結果を発表。買収により、ANAグループの合算シェアが「日本発ロサンゼルス周辺空港着路線」で約30%、「日本発シカゴ空港着路線」で約35%を占めることから、競争を阻害するものと判断した。しかし、ANAグループが競合する特定の航空会社に対し、同2路線を運航する貨物専用機の貨物搭載スペースの一部を提供する「ブロック・スペース・アグリーメント」を締結することを前提に、買収を承認した。なお、その他の競合路線(米国発日本着路線、日本発着の中国・シンガポール・台湾・欧州発着路線)については競争を阻害しないものと判断した。

 

 ANAHDは3月末の子会社化を予定しているが、買収計画は現在、海外の競争当局も審査を続けており、今後は中国当局の判断が焦点となる。

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