カーゴニュース 2025年2月25日 第5318号
CBRE(本社・東京都千代田区、辻貴史社長)はこのほど、物流施設の開発計画の見直しに伴い、首都圏物流施設の賃料水準が上向く可能性があるとするレポートを公表した。建築費の高騰で当初の計画が見直され、新規供給が減少。空室率が低下することによって、賃料水準は2026年後半に上向く可能性があると指摘している。
竣工時期後ろ倒し、冷凍冷蔵への変更も
大型マルチテナント型物流施設の建設工事期間は、物件の規模にもよるが概ね1・5年~2・5年であり、そのため将来に予定される新規供給は、その年の2年前までは新たな計画が積み上がって増える。しかし、その後は大きく変わらず、ほぼ計画通りに物件が竣工することが一般的となっている。
しかし、25年に予定される新規供給については様相が異なる。22~23年にかけて開発計画が積み上がった結果、23年Q4(10~12月)時点で25年の新規供給は59・5万坪まで増えた。しかし、24年Q4時点における25年の新規供給は46・7万坪だった。25年の開発計画が1年間で約13万坪、22%が減ったことになる。
新規供給が減った理由のひとつは建築費の高騰。倉庫の工事原価指数をみると、15~20年までの6年間の上昇はわずか4ptだったが、21~24年の4年間では32pt上昇した。その結果、開発用地の取得時に想定した建築費と、設計段階の概算の建築費が大きく乖離し、開発計画が見直されたと考えられる。
また、工事期間の長期化も影響した模様。23年Q4時点で25年に竣工が予定されていた新規供給物件24件のうち6棟で竣工予定時期が後ろ倒しになった。また、1棟は用地のまま売却、2棟が冷凍冷蔵設備を含む開発に変更となっている。
賃料弱含みも開発計画の足かせに
首都圏の賃料見通しが弱含みであることも、デベロッパーの開発計画の足かせになっている。首都圏の大型マルチテナント型物流施設の空室率は20年Q4の0・5%から、24年Q3(7~9月)には10・1%にまで上昇。10%を超えるのは10年Q4以来だった。実質賃料はQ4で4450円/坪と、22年Q3の最高値4550円/坪から2・2%の下落が予想される。
本来、建築費の上昇分は賃料に転嫁されるが、空室を抱えた物件が多いエリアでは、オーナーがテナントを誘致するために賃料を調整せざるを得なくなっている。そのため設計の見直しによる竣工時期の遅れや、冷凍冷蔵倉庫への転換、転売を模索するといったケースも今後出てくると見られる。
これにより、26年以降に予定されている新規供給についても25年と同様、現時点より減る可能性がある。1年間で新規供給予定が22%減少した25年の例を当てはめると、24年Q4時点で想定される26年の新規供給54・9万坪は、1年後の25年Q4時点で43・0万坪に減る。
現時点でのCBREの予測では、首都圏の空室率は25年後半から低下基調となり、賃料は26年Q2に下げ止まって、その後は横ばいで推移する見込み。しかし、26年の新規供給が現時点での計画から減少すれば、空室率の低下ペースが速まり、賃料水準は26年後半に上向く可能性があるという。
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