カーゴニュース 2025年4月10日 第5330号
NX総合研究所(本社・東京都千代田区、鈴木理仁社長)は7日、「2025年度の経済と貨物輸送の見通し」の概要版(25年3月31日時点)を発表した。それによると25年度の国内貨物輸送量は40億7720万t(前年度比0・3%減)と予想。3年連続で前年を下回ると見込んだ。前回1月時点の予想と比べ40万t上方修正したが輸送量は大きく変わっていない。ただ、24年度の貨物輸送量が前回予想より1180万t下回ったことにより、前回予想した0・6%減と比べ0・3pt上昇すると見込んだ。また、消費関連・生産関連貨物の総輸送量は23億6880万t(0・8%増)と予測。前回予想の23億1550万t(0・2%減)より5330万t上回ると見込んだ。
ただ、これらの予想は3月末時点のもので、米トランプ政権による相互関税の発動など関税政策の急激な転換の影響が織り込まれていない。今後の世界経済に深刻な影響が及んだ場合、国内貨物輸送量の下振れが見込まれる。
消費・生産貨物は微増を予想
あくまでも3月末時点の予想だが、消費関連貨物は9億1770万t(0・8%増)、経産関連貨物は14億1200万t(0・8%増)とプラスを予測。一方、建設関連貨物は17億840万t(1・8%減)と3年連続の減少を見込んだ。
JRと営業トラックは微増、内航と国内航空はプラス
輸送モード別の25年度の国内貨物輸送量をみると、JR貨物の鉄道コンテナ輸送は1・4%増と2年連続のプラスを予想。トラックからのモーダルシフトやリニア中央新幹線の建設排出土輸送がプラス要因となった。一方、JR車扱は石油輸送が堅調となるも、反動減が影響し0・9%減と見込んだ。営業用トラックは消費・生産貨物が堅調に推移することで、0・2%増と2年連続の増加を見込む。
内航海運は石油製品を中心に生産関連貨物に増勢があり2・2%増と4年ぶりの増加、国内航空はヤマト運輸の貨物専用便の運航による輸送量押し上げ効果が寄与し、7・3%増と増勢が続くと予測。内航と国内航空は、今後予想される中長期的な輸送力不足に対応するモードとして期待が高まっているようだ。
25年度の国際貨物輸送量は米国の関税政策が大きく影響するとみられ、現時点での予想値の下振れが見込まれる。3月末時点では外貿コンテナは輸出入合計で2・4%増と予測。国際航空貨物は輸出入合計で5・6%増と見込んだ。
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