カーゴニュース 2024年5月30日 第5246号
高塚流通(本社・茨城県八千代町、高塚孝一社長)は、茨城県下妻市で危険物倉庫を拡充している。2021年1月に「下妻危険物第一倉庫」を開設したのに続き、23年6月には消防法危険物の第1類から第6類まで対応できる、同社最大規模の拠点となる「下妻危険物第二倉庫」が稼働。現在、第一倉庫の隣接地では、金属粉など第2類向けの小型危険物倉庫2棟を建設中で、ニッチなニーズに対応することで後発ながらも業界での存在感を高めている。
19年に新規事業として危険物倉庫に参入
同社は1981年の設立。貸倉庫業、集合住宅建設、太陽光発電事業などを手掛ける中、19年3月に茨城県から経営革新計画の承認を得て危険物倉庫に参入。20年3月に、危険物倉庫(990㎡)2棟、一般品倉庫(330㎡)で構成される「土浦危険物倉庫」(茨城県土浦市)を開業した。
21年1月には、圏央道常総ICから至近の用地に「下妻危険物第一倉庫」を開設。危険物倉庫(990㎡)2棟、一般品倉庫(330㎡)1棟で構成され、大手物流会社の専用施設としての契約を結んだ。「第1類から第6類まで対応」を戦略として掲げ、旺盛な引き合いを受けて危険物倉庫の拡充を図っている。
第二倉庫もフル稼働、2類倉庫も建設中
昨年6月には、危険物倉庫4棟、一般品倉庫1棟から成る「下妻危険物第二倉庫」を開設。第1類から第6類まで対応できる危険物倉庫は県内、さらには首都圏でも希少で、同社として初めてとなる定温危険物倉庫も新設。保税蔵置場の申請も行い、同社として最大規模かつ多様なニーズに対応できる拠点となっている。
危険物倉庫4棟(計約4000㎡)のうち、A棟(990㎡)は非常用発電機を備えた定
温倉庫で、庫内が6室プラス前室に分かれており、第1類、第4類、第5類の3種類の危険物に対応。常温のC棟(1000㎡)についても3室に分け、異なる類の貨物を保管できるようにした。一般品倉庫(約2000㎡)は指定可燃物も保管できる。
すでに「下妻危険物第二倉庫」はフル稼働しており、隣接地での増床も検討している。また、「下妻危険物第一倉庫」の隣接地を確保し、金属粉を扱うために、専用の消火設備を導入した100㎡の第2類倉庫2棟を建設し、7月中旬の竣工、稼働を予定している。同倉庫は危険物倉庫大手の利用が内定している。
高塚流通はコロナ下で危険物倉庫事業をスタートしたが、消毒用アルコールの保管需要やサプライチェーンの混乱に伴う在庫需要の取り込みに成功し、物流業者や荷主との取引が順調に拡大。今後は、ピッキングや流通加工を伴う製品系の危険物や、半導体原材料など高付加価値化品の保管にも積極的に取り組む。
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