複合一貫輸送など柔軟なサービスが強み

カーゴニュース 2024年5月30日 第5246号

話題
レシャコ
サービス品質維持で荷主の期待に応える

ネットワークと多彩な輸送メニューが強み

2024/05/30 13:17
危険物・化学品

 ISOタンクコンテナオペレーター大手の独Leschaco(レシャコ)は、主力のISOタンクコンテナによる海上輸送に加え、危険物の小口混載や一時保管、航空便、トラックによる陸送などバラエティ豊かな輸送メニューを提供している。グローバルネットワークと荷主のニーズに合った複合輸送サービスを強みに、荷主のサプライチェーンを支援していく。

 

 同社は現在、世界24ヵ国に現地法人を構える。タンクコンテナはすべてリースで調達しており、グローバル全体での運用基数は約5000基。製造年数の経過したタンクコンテナを返却したことで、前年同時期から減少した。

 

 コンテナタイプは大量一貫輸送に適した汎用型の25㎘タイプをはじめ、21、24、26㎘タイプをそろえている。リース調達であるため、常に最適で劣化の少ないタンクコンテナを荷主に供給。近年は防波板付のタンクコンテナの提供にも注力しており、通常のタンクコンテナよりも洗浄代などのコストはかかるものの、石油製品や化成品を中心に底堅いニーズがある。


 24年前半の海上輸送動向は、旺盛な輸送需要が一服した前年からさらに鈍化傾向にあり、中国エリアはとくに顕著な荷動きの低下が見られた。一方で、一部のメーカーからは、アルゼンチン・ブエノスアイレスなどの南米エリアを中心に、従来は案件の数が少なかった仕向け先への輸送の問い合わせが増加しているという。


 今後の荷動き動向について、外野宏明タンクコンテナオペレーションマネージャーは「円安の影響による原材料費の高騰などを背景に、国内メーカーは海外のメーカーとの競争が厳しくなり、日本出しの輸送が停滞するといった状況も発生している。加えて、紛争などの地政学リスクの影響によるリードタイム延長なども継続し、これらは早急に解決する問題ではなく、注視しながら対応していく必要がある」と語る。


 日本国内では、主要港などのタンクコンテナデポで、人手不足やスペース不足といったリソースのひっ迫も深刻化している。加えて、陸上輸送でも「2024年問題」に伴い、ドレージ車両の確保が困難になることが予測される。このため外野氏は「陸上輸送はなるべく効率的に輸送できるよう、荷主に協力をお願いするなどの対応を進めている」と述べる。

 

 新拠点の開拓では、4月にオランダのムールダイクで、倉庫面積約2万9000㎡の化学品専用倉庫を新設した。新倉庫はロッテルダム港とアントワープ港の中間に位置しており、ムールダイク港やライン川、マース川など主要な水路を効率的に活用できる立地にある。倉庫内では約4万5000枚のパレットを収容可能だ。


 近年、タンクコンテナオペレーター事業へのプレイヤーの新規参入が増加し、競争が激化している。レシャコではこれまでに培ってきた実績とサービス品質の高さを武器に「価格競争に過度に同調せず、現在提供しているサービスの品質を維持することで、荷主の期待に応えたい」(外野氏)としている。

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