カーゴニュース 2024年6月4日 第5247号
NRS(本社・東京都千代田区、戸木眞吾社長)は5月25日、2024年度安全大会を横浜物流センター(横浜市鶴見区)で開催し、海外拠点からの参加者8人を含む210人が参加した。当日は能登洋一会長、戸木社長をはじめ経営陣が臨席する中、物流センター7拠点および熊本支店から「演練の部」と「安全発表の部」に分かれて行われた。
開催にあたり戸木社長は、「我々が扱っている荷物はお客様の大切な資産であり、そのことを念頭に置いて安全と品質をさらに向上させ、NRSの企業価値を高めることが重要。事故やトラブルは小さければいいというものではなく、お客様の信頼を得るためには、安全で品質管理が行き届き、NRSに任せておけば安心であるということが求められる」と挨拶した。
演練の部では、千葉物流センターが「長爪4tフォークリフトの安全作業および、トラック業務に関する法改正」について発表した。同リフトは、一度にパレットを2枚運搬できる利便性がある反面、危険性も含んでおり、その注意点を説明した。また、法令改正によるトラック荷台昇降用のステップおよび、テールゲートの正しい操作方法を披露した。
群馬物流センターは「荷役機器の基本操作」について、リーチ式リフトを使用して正しい乗車姿勢、パレット差し込み前の一旦停止動作、走行しながら操作する「ながら操作」の禁止、爪先を格納して走行する基本動作(リーチイン走行)の確認などを披露した。
中部物流センターはドラム缶を運搬するためのフォークリフトアタッチメントである「グリッパー」の操作について「オートグリッパーに潜む危険」と題して発表し、リフトの爪先を挿し込んで自動的にロックがかかる形式のグリッパー(オートグリッパー)が、何らかの不具合によりロックがかからずグリッパーが外れそうになり、掴んでいたドラム缶が落下しそうになったヒヤリハット事例を紹介し、予防対策として作業前のロック確認やメーカーによる定期点検の確実な実施、また独自の点検記録表の活用を紹介した。
九州物流センターは「高所保管貨物の荷役基本作業」を披露。ラックの高さとパレットの高さを見誤ることによる接触事故や、爪先が平行になったと思い込みバックしたところ、パレット内に爪先が引っかかって製品を落下させてしまう等の危険性を指摘。ひとつひとつの動作を確実に行わず、「ながら操作」をすることが事故の可能性を高めてしまうのではないかと注意を呼び掛けた。
事務所2階に移動して行われた安全発表では、横浜物流センターが「温度管理品の正しい取扱い」について説明し、各種取り扱いのルールの徹底についての取り組みを紹介した。
大阪物流センターは危険物やその他の液体貨物の漏洩事故対策として「緊急資材の重要性」について発表。従来からある土嚢は重量があって持ち運びにくく、吸収量が少ないうえに廃棄にも時間がかかるといった課題があり、吸収ボックスを導入したことを報告。ボックスにはローラーが付いているため女性でも持ち運びやすい利点を示した。
熊本支店は、2023年8月に開所した社内で一番新しい営業所であり、危険物倉庫、一般品倉庫、高圧ガス倉庫など各施設の稼働状況と作業内容、安全に対する取り組みなどを紹介した。
能登会長は閉会にあたり、「コロナ下ではオンラインの開催となったが、皆で集まりこうしたテーマに取り組むことに意味がある。発表内容はよく考えられ、取り組みへの意欲、真剣さが伝わってきた。いままで以上に安全と品質に力を尽くしてほしい」と激励した。
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