カーゴニュース 2024年5月21日 第5243号
JR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)の4月の輸送実績は、コンテナが前年同月比増減なし(1000t増)の157万8000t、車扱が6・7%増の63万8000tとなり、合計で1・%増の221万6000tとなった。
コンテナ品目別では、食料工業品が気温上昇に伴う需要増やGW前の送り込み需要などにより、清涼飲料水やビール類を中心に好調な荷動きとなった。また、紙・パルプはペーパーレス化による需要減が続く中にあって、一部モーダルシフトの動きがあり前年を上回った。一方、エコ関連物資は一部顧客の処理計画変更によって減送になったほか、化学工業品、化学薬品も需要減により前年割れとなった。車扱は月上旬での低温やGWにおける外出機会の増加によりガソリンを中心に石油類が2ケタの増送となるなど好調だった。
16日に会見した犬飼社長は「輸送実績は少しずつ回復傾向が進み、新年度のスタートとしては比較的良いスタートになった」として、5月のコンテナ実績も13日までの速報値で前年比3・0%増になっていることを紹介。「ただ、これから雨や台風による輸送障害が懸念される時季に入る。仮に障害が発生しても、これまでに強化してきたBCP対策の効果が発揮されることを期待したい」と述べた。また、「4月から6%のタリフ改定を実施しており、収入面でも実績を積み上げていきたい」と増収に意欲を見せた。
「2024年問題」に対応した新たな動きについては「既存のお客様の中でもこれまで利用されていなかったルートでの活用が増えているほか、色々なお話をいただいている」と説明。会見に同席した高橋秀仁執行役員営業統括部長は、「『24年問題』で物流事業者同士の提携やアライアンスが進む中、幹線の一部に鉄道を組み込みたいという話もいただいている」と述べた。
自動物流道路、「我々から議論に入っていく」
一方、政府の中で自動物流道路の実現に向けた議論が活発になっていることについて、犬飼社長は脅威に感じているというのが正直なところ」と述べた上で、「これからは自動物流道路だけでなく、トラックや船といった他の輸送モードと鉄道をいかにつなぎ合わせていくかが重要になる。実現はまだ先だと思うが、早い段階から議論に加わっていくことで、貨物鉄道を組み込んだ考え方を提案していきたい」と強調した。
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