カーゴニュース 2024年6月25日 第5253号
JR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)の5月の輸送実績は、コンテナが前年同月比6・8%増の143万3000t、車扱が9・6%減の53万8000tとなり、合計で1・8%増の197万2000tとなった。
コンテナ品目別では、食料工業品が気温上昇に伴う需要増加に加え、新商品やリニューアル商品の販売好調、一部の顧客における鉄道シフトの取り組みなどにより、清涼飲料水を中心に荷動きが好調だった。また、積合せ貨物は「2024年問題」を背景に新たな輸送区間における鉄道シフトが進んだことなどで増送となった。紙・パルプはペーパーレス化による紙の需要減が続く中、定期修繕を控えた一部の顧客の前倒し出荷や鉄道シフトなどで増加した。
車扱は、顧客の工場における定期修繕の時期ずれにより、セメントを中心に減送となった。
19日に行われた会見で犬飼社長は、6月のコンテナ実績が17日までの速報値で前年比3・5%減となり、全体的な荷量がわずかに減少していると報告したうえで、「近畿地区で輸送障害が発生したことでかなりの運休が生じた。さらに、東海地区でも大雨による運休が発生しており、その影響が反映されている」と説明。加えて、5月では飲料の荷動きが好調だったものの、6月からは食品の値上げが起きていることから、その反動も荷動きに影響しているとの見方を示した。
また、全国通運連盟と全国通運業連合会で新会長が就任したことに言及し、通運業界への要望として「『24年問題』への対応とカーボンニュートラルという鉄道輸送が果たすべき役割は、当社だけではなく、通運事業者の方々あって実現できるもの。集荷・配達の能力をしっかりと整えていただけることを期待している」と強調。また、「トラックの集荷・配達能力と当社の鉄道輸送能力を合わせることで、複合一貫輸送サービスが成立しており、一緒にお客様に向き合うことが必要となる。
今後は悪天候や自然災害に伴う輸送障害対策について、お客様に新たな提案を行っていくので、当社との協調をお願いしたい」と要望した。そのうえで「当社としても積替えステーションや貨物駅の使い勝手が良くなるようしっかりと整備に注力していく」と語った。
購読残数: / 本
恐れ入りますが、ログインをした後に再度印刷をしてください。