カーゴニュース 2024年6月25日 第5253号
全国交通運輸労働組合総連合(交通労連、織田正弘中央執行委員長)のトラック部会(部会長=織田委員長)は5日、岡山県岡山市で第27回中央労使懇談会を開催した。企業側から22社26人の経営層、組合側から29組合49人の幹部が参加した。中央労使懇は今回で27回目となる。
懇談会前段では全日本トラック協会の若林陽介理事長が2024年度に労使が取り組む諸課題について講演。その後、経営側参加者が、①適正な運賃・料金の収受に向けた取り組み②労働時間管理に関する具体的な取り組み③他社との業務連携・協業等の取り組み――について説明し、情報共有を図った。
業界全体で社会的地位の向上へ
主催者として挨拶に立った織田委員長は、2024年春闘の現時点での状況報告を行い、運輸業の賃金水準は「今年も他産業との格差が広がったと認識している」と述べ、「世間では大きな賃上げにより名目賃金が上昇したが、物価上昇により実質賃金が24ヵ月連続で低下している。ドライバー職は物量減の影響で歩合給が低下したことで、名目賃金自体が前年を下回っている。私たちの産業は社会から適正に評価されていないと考えざるを得ない状況であり、業界全体で社会的地位の向上を図らなければならない」と訴えた。
また、4月に施行されたドライバーへの時間外労働上限規制や改善基準告示の改正について「必ず私たちの産業に対してプラスに作用すると信じている。現段階は過渡期で、実際の環境は非常に厳しい状況だが、しっかりと法令を守れる環境をつくっていく必要がある」と強調。「近い将来には、現在の年間960時間の上限規制を一般則の720時間に見直すことが予想される。私たち自らが、その方向にいち早く進むことで720時間を実現し、求職者から選ばれる産業にしていかなければならない」と述べた。さらに「今月から改正標準運送約款が適用された、業界全体として荷主との適正な契約に取り組むことを願っている」と呼びかけた。
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