「2024年問題」への理解に大きな差がある

カーゴニュース 2024年7月2日 第5255号

神ト協
「『24年問題』知らない」消費者の3割超に

再配達有料化は3人に1人が否定的

2024/07/02 17:37
団体

 神奈川県トラック協会(神ト協、吉田修一会長)は6月25日、「物流の2024年問題」に関する意識調査の結果を公表した。それによると、運送関係者の8割超は「24年問題」について内容まで理解している一方、一般消費者の約3人に1人が「名称も知らない」と回答した。また、運送関係者の多くが再配達の有料化を求める中で、一般消費者の3人に1人は有料化に否定的であり、運送関係者と一般消費者の間で「24年問題」への理解や意識に大きな差が生じていることがわかった。


 同調査は、神奈川県内の運送関係者1035人と一般消費者3000人を対象にインターネット調査を実施したもの。「24年問題」の認知度については、「名称も内容も理解している」が運送関係者では85・5%に達したものの、一般消費者では35・6%にとどまった。一方で「名称も知らない・内容もわからない」は一般消費者で29・2%となった。


 また、「24年問題」の対応策として機運が高まりつつある「再配達の有料化」では、運送関係者から理解を求める声があがっているものの、一般消費者の32・4%が「追加で支払うことはできない・考えられない」と回答するなど否定的だった。


 このほか、「24年問題」の要因のひとつであるドライバー不足への対応に必要な解決策について運送関係者に尋ねると、「適正な運賃や送料の値上げに理解を示す」(71・2%)「トラックドライバーの待遇を改善する」(71・1%)となり、運賃・送料の見直しと待遇改善がそれぞれ7割を超えた。さらに、「24年問題」の課題であるドライバーの運送以外の附帯作業については、運送関係者から「フォークリフトや手作業での積み込み・取り降ろし」「荷物を定刻に届けるための長時間待機」などが挙がる中、一般消費者の半数近くが、ドライバーの「運ぶ以外の仕事」について認知していないこともわかった。また、運送関係者の1日の平均荷待ち時間では、約15%が「2時間以上」と回答した。神ト協は「当たり前になっている商慣習を見直し、荷主も一般消費者も意識や行動を変えることで、問題解決につなげる必要がある」と指摘している。

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