カーゴニュース 2024年9月3日 第5271号
帝国データバンクは8月23日、2024年の女性登用に対する企業の意識調査を公表した。女性管理職割合の平均は10・9%となり調査開始以来初の10%台に乗った。政府目標の「女性管理職30%」を達成している企業割合は11・4%でこちらも初の10%超で、上昇幅も過去最大となった。業種別で「運輸・倉庫」の女性管理職の割合は7・4 % で昨年の6・9%からは上昇した。
女性役員割合の平均は13・5%と過去最高も、「役員が全員男性」の企業は依然50%を超えた。また、32・7%の企業が「女性管理職割合の増加」を見込み、上場企業など規模が大きいほど「増加する」割合が高かった。
業界別では、女性従業員が比較的多い「小売」が19・4%で全体(10・9%)を8・5pt上回りトップとなった。次いで、「不動産」(16・7%)、「サービス」(15・3%)、「農・林・水産」(12・7%)が上位に並んだ。
一方で、工場における3交代制などで生活時間が不規則になりやすい「製造」(7・9%)や、長時間労働のイメージが強い「運輸・倉庫」(7・4%)、「建設」(7・2%)など、女性従業員数が比較的少ない業界は低水準にとどまった。
政府は、女性管理職の割合が20年代の可能な限り早期に30%程度となることを目指している。厚生労働省は、今年2月から雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会を重ね、「女性管理職比率については、企業の実情を踏まえつつ開示必須項目とすることが適当である」旨の報告書をまとめた。
また「女性版骨太の方針2024」では、東証プライム市場に上場する企業の女性役員の割合を、それまで設けられていた目標の「30年までに30%以上」に加え、「25年までに19%」に引き上げる新しい成果目標が掲げられるなど、企業における女性活躍の推進がますます求められている。
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