カーゴニュース 2024年9月5日 第5272号
ゼネテック(本社・東京都新宿区、上野憲二社長)は8月2日、東京都内で3Dシュミレーションソフト「FlexSim」のプライベートセミナーを開催し、およそ60人が参加した。
「FlexSim」は工場の生産ラインや庫内物流などのレイアウトを3Dモデルで作成し、現状分析や課題発見できるシミュレーションソフトで、主にメーカーや物流事業者が導入している。
セミナーでは、導入企業の平田機工グローバル事業本部の豊島聡宏マネジャーが講演した。平田機工は、自動車や半導体などの生産システムや、物流システムを提供しており、シミュレーションツールを活用した事前検証と最適化を行っている。近年はAMRの動きの再現や、台数算出の妥当性が課題となっており、豊島氏は「効率的な生産システムを提供するためには事前シミュレーションによる裏付けが重要だが、エミュレーターは実時間の再現しかできず、短い時間で何回もシミュレーションが可能な『FlexSim』は最適なソフトだ」と導入理由を解説した。また、「当社は様々な解析ソフトを運用してきたが、『FlexSim』はカスタマイズ性が高く柔軟な運用ができ、サポートも迅速だ。若いエンジニアでも経験を積んだ社員が補佐することでオペレーションが可能となり、社内技術の伝承にもつながっている」(豊島氏)と導入効果を説明した。
続いてゼネテックの角淵弘一常務執行役員がデジタルツインについて講演。角淵氏は「受注から設計、製造、出荷まで一貫してデジタルツイン化することが重要だ」と強調し、納期短縮やコスト削減につながった実例を紹介。「メーカーにとって、納期やコストの圧縮は競争力強化に繋がる」とし、デジタルツイン化の重要性を訴えた。
続いてゼネテックの有馬淳哉DX事業部長が活用事例を報告。「人手不足や雇用形態の変化により、知見の継承が困難となりつつあることで『FlexSim』の導入が増えている」と紹介し、「導入時と異なる目的にも活用可能で柔軟性が高いが、効果を最大化するには、課題や目的を定めることが大切だ」と解説した。
最後に、セミナー参加者が実際に「FlexSim」の体験版を操作し、性能を実感していた。
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