犬飼社長(左)と高橋秀仁執行役員営業統括部長

カーゴニュース 2024年4月16日 第5234号

JR貨物
3月のコンテナは前年比3・0%減

年度実績では1・2%減の1810万t

2024/04/16 18:35
貨物鉄道・通運 物流データ・統計・調査

 JR貨物(本社・東京都渋谷区、犬飼新社長)の3月の輸送実績は、コンテナが前年同月比3・0%減の172万300t、車扱が12・7%増の81万4000tとなり、合計では1・6%増の253万8000tとなった。

 

 コンテナの品目別では、農産品・青果物が東北や関東地区のコメ、九州地区の馬齢者などが好調で前年同月を上回ったほか、紙・パルプも一部顧客の増送や年度末需要によりプラスとなった。一方、堅調が続いていた積合せ貨物は、月前半に発生した輸送障害に伴う運休により減送、化学薬品も需要低迷や一部顧客の輸送終了により低調だった。

 

 車扱は、気温が平年よりも低く推移したことで燃料需要が増加し、石油が大幅に増送。車扱全体でも2ケタ増となった。

 

 2023年度の累計実績(速報)では、コンテナが前年度比1・2%減の1810万7000t、車扱が1・7%増の841万6000tとなり、合計では0・3%減の2652万4000tだった。コンテナ品目別では、ドライバー不足による鉄道シフトが進む積合せ貨物や農産品・青果物、食料工業品、自動車部品などが前年度の実績を上回った。

 

「全員参加経営で」犬飼社長

 

 10日に行われた会見で犬飼社長は、今年度のスタートにあたり「今期は何よりも黒字にすることを第一の目標に置いている。そのためには、収入をいかに計画通りに上げていくかという営業施策も重要だが、社員全員で収益をあげていく、当事者意識をもって日々の業務運営に取り組んでいく全員参加経営が大事になる。外部から見て、JR貨物は変わったと感じていただくことが大事だ」と強調した。

 

 また、足元の輸送需要について「ここにきて、確かに輸送量が前年を上回る日が多くなったが、増えている品目がある一方で減っている品目もある。プラスマイナスの差し引きでかろうじてプラスになっているという状況であり、底堅い需要があるとは言い切れない状況だ」との認識を示した。その上で「ただ、そうした中でも新たな輸送品目、中距離帯など新たな距離帯での利用が増えており、鉄道を使おうという動きは着実に高まっている。この流れをしっかりつかみ、要望にしっかりと応えていきたい」と述べた。

3月の品目別輸送実績
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