特定信書便事業者数の推移

カーゴニュース 2024年10月8日 第5281号

総務省
事業者数、引受通数、売上高が再び増加

「特定信書便事業の現況」を公表

2024/10/07 16:00
宅配・ラストワンマイル 物流データ・統計・調査

 総務省はこのほど、特定信書便事業の現況を公表した。それによると、2023年度末(24年3月末)時点での特定信書便事業者は596者となり、22年度末から13者増となった。22年度末は03年の制度開始以来、初めて事業者数が減少したが、ふたたび増加に転じた。また、23年度の総引受通数は約2116万通で前年度比5・8%増、売上高総額も4・0%増の約188億円となった。

 

制度開始20年で事業者数596者に

 

 特定信書便事業は、03年に施行された信書便法(民間事業者による信書の送達に関する法律)により、それまで国が独占してきた信書の送達に民間の参入が可能になったことからスタート。この間、一般信書便事業への参入はないものの、特定信書便への参入は順調に増え続けてきた。

 

 23年度末時点での事業者数は前年度比13者増の596者。事業開始以来、初めて減少に転じた22年から一転、ふたたび増加に転じた。役務別では、1号役務(3辺合計が73㎝以上または重量4kg以上の大型信書便サービス)が535者(前年度比14者増)でもっとも多く、次いで3号役務(料金800円超の高付加価値サービス)が308者(同6者増)、2号役務(3時間以内配達の急送サービス)が96者(2者減)となった。なお、複数の役務を提供する事業者があるため、役務別事業者数と特定信書便事業者数は一致しない。

 

引受通数、売上総額も再び増加に

 

 23年度の総引受通数は約2116万通で、前年度比で約116万通増、5・8%増となった。引受通数は制度開始以降、一貫して増加が続いたが、21年度からは2年連続で減少となり、23年度はふたたび増加に転じた。役務別では1号役務が約1558万通(7・2%増)と増加したが、2号役務は約51万通(5・2%減)と減少し、3号役務は約507万通(2・8%増)となった。

 

 売上高総額も、前年度まで2年連続で減少が続いていたが、23年度は188億円で、前年度比約7億円増、4・0%増となった。役務別では、1号役務が約108億2000万円(4・8%増)ともっとも大きく、2号役務は約2億3000万円(1・2%減)、3号役務が約77億8000万円(3・1%増)だった。

 

参入事業者の75%が貨物運送業者

 

 特定信書便事業者が他に行う主な事業の割合は、貨物運送業が446者と約75%を占めた。次いで警備業が38者、障がい者福祉事業が17者、建物サービス業が17者、卸売業・小売業が12者で続いた。経営形態では、会社形態(株式会社、合資会社および合同会社)が520者で全体の87・2%を占めた。それ以外では協同組合が40者(6・7%)、社会福祉法人が15者(2・5%)、NPO法人が7者(1・2%)。また、個人での参入も11者(1・8%)あった。

 

 会社形態での参入事業者を資本規模別に見ると、520者のうち87・1%にあたる453者が資本金1億円未満。なかでも1000万円以上~1億円未満の割合がもっとも多く、70・4%(366者)を占めた。また、資本金10億円以上の大企業も18者あり、割合は3・5%だった。

 

 地域別の参入状況では、東京が141者でもっとも多く、次いで大阪61者、愛知38者、神奈川32者、福岡29者、北海道18者、兵庫18者と続く。なお、47都道府県のうち高知県だけが依然として参入事業者ゼロとなっている。

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