辻会長

カーゴニュース 2026年8月4日 第5457号

横浜通関業会/会員懇談会
通関士、通関従業者の質の向上に努めていく

次世代を担う人材の確保と育成は喫緊の課題

2026/08/03 16:00
全文公開記事 グローバル物流 団体

 横浜通関業会(辻克行会長)は7月24日、会員懇談会を開催し、横浜税関からも幹部が出席した。

 

辻会長(北村回漕店)は、通関業界を取り巻く環境について「米国の関税政策、中東地域をはじめとした地政学的リスクの高まりなど、世界経済や国際物流を取り巻く状況は、依然として不透明だ。

ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う輸出規制や経済安全保障への対応など、通関業務に求められる役割はますます重要なものとなってきている。一方、国内ではDX化の進展や越境ECの拡大により、物流・通関業務を取り巻く環境が大きく変わってきている。我が国は多くの国・地域とEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)を締結しており、貿易拡大が期待される一方で、原産地規則の複雑化などによって通関現場ではこれまで以上に高度な専門知識と的確な判断が求められている」と説明した。

 

 さらに、「通関業者は迅速かつ適正な通関を通じて、国際物流を支える重要な役割を担っており、その責任は今後ますます大きなものになっていく。業界の長年の課題である関税等の立替払いの問題については、3月の国会審議において通関業者の実情を踏まえた答弁がなされた。業界の課題が国政の場で取り上げられたことは、大変意味深く、今後の制度や運用の改善につながることを期待している。近年の人件費やシステム関連費用の上昇などを背景に通関業務の適正な対価である通関手数料のあり方についても、業界全体であらためて考えていかなければならない時期に来ている。質の高い通関サービスを持続的に提供していくためにも、適正な価格への理解が重要だ」と強調した。

 

 通関士の高齢化の課題にも触れ、「次世代を担う人材の確保と育成は喫緊の課題だ。研修会や講習会の充実を図り、通関士、通関従業者の質の向上に努めていく。関税分野の専門性向上と業界の信頼性向上に資する『EPA関税認定アドバイザー制度』についても今後の動向を注視しながら、会員の皆様へ情報提供していく」と語った。

 

 来賓の内野洋次郎横浜税関長(当時)は、「税関中長期構想2030」について、民間事業者との連携強化も大きな柱であるとし、AEO(認定事業者)に対するさらなるインセンティブも検討していると報告。EPA関税認定アドバイザーへの後方支援にも意欲を見せた。そのうえで、同構想で掲げる施策に関して、「横浜のように官民の連携がスムーズなところから、先陣を切って取り組みたいと考えている。皆さんの声をぜひ寄せていただきたい」と語った。

 

 乾杯の発声を早川正雄副会長(早川運輸)が担当し、「今日の懇談会が会員の相互の親睦を深め、業界の発展につながることを期待している」と挨拶した。

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