カーゴニュース 2024年11月14日 第5292号
山九(本社・東京都中央区、中村公大社長)は7日、「第4回山九グローバル溶接競技大会」を東日本能力開発センター(千葉県君津市)で開催した。山九グループから選抜された国内外の社員が溶接の技術を競うもので、当日は7ヵ国から29人が参加。社員や出場国の大使館職員などが見守る中、選手たちは普段の業務で培った技術を発揮した。
同大会は2008年に開始し、5年に1度のペースで開催されて今回で4回目。コロナ禍による休止をはさみ、6年ぶりの開催となった。大会には、国内外の山九グループから、予選を勝ち抜いた29人の選手が出場。海外からは、インドネシア、サウジアラビア、シンガポール、タイ、中国、ブラジルの6ヵ国から8人が参加したほか、女性の選手は国内から4人が参加した。
開会式で挨拶に立った中村社長は「先輩たちから受け継ぎ、自ら磨き上げた技術・技能を存分に駆使して、悔いの残らない成果をあげてほしい」と選手たちにエールを送り、「今回の大会が終わっても、さらに上を目指して技術を磨いたり、後輩に技術を継承するなど、次につないでいってほしい」と期待を込めた。
競技は、「被覆アーク溶接初級の部」「被覆アーク溶接上級の部」「半自動溶接の部」「6Gの部(TIG+被覆アーク溶接)」の4部門を実施。選手たちがそれぞれ用意された部材を溶接し、完成品の美しさや耐久性、内部欠陥の有無、溶接中の安全点検などを、審査員が1000点満点で審査した。
また、当日は中村社長がメディアからの囲み取材に対応し、大会の開始の背景について「当社はかつて、日本で技術者を育てて海外へ派遣するという考え方を持っていたが、少子高齢化などで今後の人材不足が懸念されていた。海外でも事業をしっかり機能させる必要があり、グローバル大会の開催につながった」と説明。また、物流事業における外国人人材の採用については「高度な技術を持っている人材を海外から迎えることの価値を、どこまで国が認めてくれるか。フォークリフトなどで高いスキルを持っていたら、検討の余地が出てくると思う」と述べた。
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