カーゴニュース 2025年8月7日 第5362号
厚生労働省は4日、長時間労働の解消に向け、周知活動の一環として制作したPR動画「くらし、はたらき、もっとススメ」を、建設業・ドライバー・医師の働き方改革総合サイト「はたらきかたススメ」で公開した。同日行われた記者発表会には、PR動画に出演した俳優の玉木宏さん(写真)を招き、フリートークや筆を使ったパフォーマンスを行った。
PR動画は、建設業・ドライバー・医師の長時間労働の解消に向け、荷主企業などの取引関係者や一般の人に対し、業界の課題や協力してほしい事項を周知する目的で制作。「改革のその先」をテーマに、俳優の玉木宏さんを起用して撮影した。
4日に行われた記者発表会では、主催者を代表して厚労省労働基準局労働条件政策課長の川口俊徳氏が「ドライバーの荷待ち時間などの取引慣行を是正するには、事業を発注する企業や利用者の理解が必要。本PR動画を通じ、取引環境の改善につなげていきたい」とコメントした。
次に行政による説明会が行われ、国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課長の三輪田優子氏が登壇し、物流業界の現状を報告。今年4月に施行した改正物流法についても説明し、「ドライバーの働き方改革には、荷主の理解が不可欠。宅配便の再配達が多いこともドライバー負担の一因であり、置き配などの多様な受取方法をPRしていく」と方針を示した。
その後、国交省不動産・建設経済局建設業課企画専門官の井上尭氏が、建設業界の現状を報告し、適切な工期の設定や賃金の支払いを要請。厚労省労働基準局労働条件政策課室長補佐の米村慎二氏は取引環境の是正に向け、各業界の取り組み事例を収集することを発表。特設サイトで9月末まで事例を募集し、来年2月に取り組み事例をまとめた冊子の公開を予定している。
記者発表会には、PR動画に出演した俳優の玉木宏さんも登場。PR動画撮影時のエピソードを語ったほか、働き方改革への意気込みについて筆を使ったパフォーマンスで発表。「建設・運送は人々の生活になくてはならない大切な仕事。業界で働く人が気持ちよく働き続けるような社会へ進んでいってほしい」と語った。
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