カーゴニュース 2024年11月26日 第5295号
アサヒ飲料(本社・東京都墨田区、米女太一社長)、伊藤園(本社・東京都渋谷区、本庄大介社長)、キリンビバレッジ(本社・東京都中野区、井上一弘社長)、コカ・コーラ ボトラーズジャパン(本社・東京都港区、カリン・ドラガン社長CEO)、サントリー食品インターナショナル(本社・東京都港区、小野真紀子社長)の清涼飲料5社は21日、物流の「2024年問題」への対応策をはじめ、温室効果ガス(GHG)排出量の削減や食品ロスの抑制など、飲料業界の社会的課題の解決に向け飲料業界『社会課題対応研究会』を発足した。今後、研究会の傘下に物流・製造・研究開発など部門ごとの分科会を設置し、知見とノウハウを共有しながら解決策を検討する。
物流分野の分科会では、個社の物流業務の改善に役立つソリューションを検討する。5社による共同物流会社の設立は予定していないが、異業種も含めた多様な共同物流のあり方も探る。
社会課題に対して〝大きなインパクト〟
同日開催した記者会見には、アサヒ飲料社長の米女氏、伊藤園取締役専務執行役員の中野悦久氏、コカ・コーラ ボトラーズジャパン執行役員最高経営戦略責任者の荷堂真紀氏、キリンビバレッジ社長の井上氏、サントリー食品インターナショナル社長の小野氏が登壇。5社を代表してコカ・コーラの荷堂氏が「研究会設立の意図は、個社単位では解決が難しい社会課題に対し、各社が協働することで対応策を検討すること」と述べ、「消費者のニーズに応え、環境への配慮を怠らず、社会的責任を果たすことで持続可能な社会の実現に向けた事業活動を行っていく」と表明。また、研究会は業界団体の主導ではなく、5社が主体となったことについて「ボリュームの大きな5社が取り組むことで、社会課題に対して大きなインパクトとなる。ソリューションを共有すれば、より効果的に社会課題に対応できる」とメリットを説明した。
物流分野では、トラック予約受付システムや自動フォークリフト、自動搬送ロボットの活用など物流DXによるトラックの荷待ち・荷役作業時間の削減や庫内作業の省力化・省人化について優良事例を共有するほか、31ft大型コンテナを活用したラウンド輸送など共同物流の拡大と深度化、鉄道・船舶へのモーダルシフトや鉄道と自動運転トラックを組み合わせたモーダルコンビネーションなどを検討する。業界で標準化したパレットの共同利用・共同回収システムも検討対象とする。課題の検討を踏まえ、グループの物流子会社や委託先の3PL事業者と連携した実証事業を実施することも視野に入れる。
そのほか、物流波動の平準化や、輸配送時のGHG排出量削減に向けバイオ燃料など再エネ燃料の利用拡大なども検討する方向。
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