カーゴニュース 2025年7月10日 第5354号
物流業界でM&Aが活発化 成長戦略の有力な選択肢に
物流子会社/荷主系物流会社の再編が引き続き盛んだ。3PLなど物流大手による物流子会社のM&Aが続く一方、卸や小売など川下系の荷主企業が自社輸送力を高める目的から物流子会社の強化に乗り出す動きが活発になっている。来年4月には物流改正法の施行により荷主への規制的措置が強化され、自社の物流管理に対する責任がより強化される。それを機に、物流子会社の再編がさらに活発になるとの観測も浮上している。
3PL大手による物流子会社の買収が頻出
3PL/物流大手による物流子会社のM&Aでは、2024年4月にニッコンホールディングスが自動車部品中堅ミツバの物流子会社であるミツバロジスティクスの全株式を取得した。同年10月にはセイノーホールディングスが三菱電機ロジスティクスをグループ化したほか、SBSホールディングスが自動車部品大手である日本精工のNSKロジスティクスを、さらにロジスティードがアルプス物流をTOB(株式公開買い付け)で傘下に収めるなど、事業規模が大きい物流子会社/荷主系物流会社を買収する事例が頻出した。
さらに、SBSHDは先月、タイヤ最大手であるブリヂストンの子会社であるブリヂストン物流の株式66・6%を10月に取得すると発表。業界最大手企業の物流子会社が3PL大手に株式譲渡する動きが加速している。
卸・小売は運送会社買収などで自社物流を強化
他方、卸・小売などサプライチェーンの川下に位置する荷主企業では、自社の輸送力や物流機能を高めることを目的に運送会社を買収する動きも増えている。国分グループ本社やスーパーマーケットチェーンのバロー、コープさっぽろ、家電量販のエディオン、ラオックスホールディングスが自社の物流子会社などを通じて運送会社を買収している。
また、ひとまいる(旧カクヤスグループ)は昨年7月に生鮮食品配送の大和急送の全株式を取得し、今年4月にカクヤスの社内物流事業を同社に移管した。ひとまいるは今後、物流事業を主要事業としていく方針を打ち出しており、7月1日付で大和急送の社名を「ひとまいるロジスティクス」に変更し、同社を核に物流事業を強化していく。
三菱食品も今年4月、同社の物流事業を新会社「ベスト・ロジスティクス・パートナーズ」に移管・集約し、物流事業を拡大していく方針を打ち出している。
来年4月の荷主規制強化がさらなる再編のトリガーに
こうした物流子会社再編の動きは、来年4月に施行される物流改正法の荷主への規制強化でさらに加速するとの見方が高まっている。
全国3000社超の大手荷主を対象に「物流統括管理者(CLO)」の選任が義務化されるほか、中長期での物流改善計画の提出が義務付けられることを受け、荷主は自社の物流における持続可能性を確保するための取り組みが求められる。その一環から、自社が持つ物流子会社を外部3PLなどに売却することで、3PLをパートナーとして物流効率化を強化する動きが増えるほか、物流子会社の輸送機能強化など多様な動きが進むとの見方が出ている。物流子会社に詳しい識者は「荷主への規制強化がトリガーとなって、自社のサプライチェーンを強化していくための様々な取り組みが進むだろう。物流子会社株式の売却が増える一方、物流子会社を荷主本体に取り込む動きも考えられる」と指摘している。
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