カーゴニュース 2024年12月24日 第5303号
キリンビバレッジ(本社・東京都中野区、井上一弘社長)とキリングループロジスティクス(本社・東京都中野区、安藤弘之社長)は12日、東日本エリアの物流拠点である海老名物流センターに導入した自動ピッキングソリューションの稼働セレモニーを行った。
導入されたのは、三菱重工と三菱ロジスネクストが提供する、自動ピッキングソリューション。無人フォークリフト(AGF)4台と無人搬送車(AGV)11台が1基のパレタイザーと連携し、パレットラックに保管された飲料品を出荷先別に自動でパレットに積み付けて、方面別などに仕分けするまでを無人化・自動化した。
各マテハン機器は、三菱重工が開発したソリューション「ΣSynX(シグマシンクス)」により連携して自動化・知能化を実現。熟練作業者のノウハウを実装できる同ソリューションは、パレットの配置やオーダー処理を最適化し、AGVの渋滞やアイドルタイムを削減することで処理能力を向上できる。2022年に開始した実証実験では、生産性が人手と比べて42%向上したという。海老名物流センターでは、来月から段階的に出荷量を増やしていく計画で、今後データの蓄積によりさらなる生産性の向上も視野に入れる。
セレモニーではキリンホールディングス常務執行役員の岩崎昭良氏が「2018年の運べない危機以来、物流課題に対して問題意識を持ち取り組んできた。21年から将来の人手不足に備えて、三菱重工さんと進めてきた物流自動化構想が形となった。関係者に感謝したい」と挨拶した。また三菱重工執行役員ドメインCEOの佐々倉正彦氏は「物流自動化構想の次のステップとして、自動入出庫やトラックの自動『積み降ろし』『積み込み』などを検証中だ。引き続きキリングループさんとともに飲料業界の物流課題解決に貢献していきたい」と語った。
また、キリングループロジスティクスの安藤弘之社長は「『2024年問題』は今年がスタートだが、実際は『2024年以降問題』だと捉えている。来年以降、このソリューションを他の物流センターに水平展開することも視野に入れている。またその流れの中で、次世代型AGFの共同開発も進めており、さらなる自動化を目指していきたい」と表明した。
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