カーゴニュース 2025年4月1日 第5327号
P&Gジャパン(本社・神戸市中央区、ヴィリアム・トルスカ社長)は、ファブリック&ホームケア製品の生産拠点である高崎工場の専用倉庫として、群馬県藤岡市に日本最大級となる約5万2000パレットの保管能力を持つ自動倉庫「高崎サプライ倉庫」を新設し、1日から本格稼働する。倉庫業務のプロセスを自動化するとともに、分散していた倉庫を集約し、工場直送率の向上にも寄与する。
高崎工場ではこれまでにデジタルツインやAI、機械学習などの先進的なデジタル・テクノロジーを活用し、様々なイノベーションを推し進めてきた。今回、高崎サプライ倉庫の新設により、生産拠点である高崎工場だけではなく、そこで生産された製品を保管する倉庫のオペレーションでも自動化を進めることで、労働力不足や「物流2024年問題」が深刻化する中、タッチレスなサプライチェーンを構築し、倉庫業務の効率化と物流の最適化を実現する。
高崎サプライ倉庫では、工場からトラックで運ばれてきた製品を自動で入荷することができる「自動トラック荷役システム(ATLS)」を導入するなど、入荷から出荷準備までのすべてのプロセスを自動化。これにより、倉庫業務を大幅に効率化し、省人化を実現している。
具体的には、工場~倉庫間の運搬を担うP&G専用トラックの荷台に新たにレーンを取り付け、入荷時にトラックのレーンと倉庫のATLSのレーンをつなげることで、自動で製品を入荷できる仕組みを構築。これにより、従来は30分ほどかかっていた入荷作業を約3分に短縮する。ATLSを介して入荷した製品は、有軌道無人搬送車(RGV)により指定された倉庫内のラックに運ばれ、自動で保管される。出荷時もRGVを介してトラック搬入口まで運ばれるため、人の手を介さずに入荷から出荷準備までを完了することができる。
高崎サプライ倉庫では、新たに自動ゲートを導入し、事前に予約システムに登録された車両番号をゲートで照合することで、トラックドライバーが受付作業のために乗り降りすることなく、スムーズに入退場できるようになる。加えて、トラック予約システムと倉庫制御システムを連動させることで、トラックが自動ゲートに到着すると、出荷予定の製品パレットのピッキング(荷出し)が開始され、搬入口まで自動で運ばれる。これにより、トラックドライバーが搬入口に到着後すぐに作業ができ、スムーズな荷積みが可能となっている。
高崎工場で生産された製品は複数の倉庫で保管されていたが、約5万2000パレットの保管能力を有する高崎サプライ倉庫の新設を機に、分散していた複数の倉庫を集約。倉庫間のトラック輸送を削減することにより、物流ネットワークを最適化し、工場からの直送率のさらなる向上に寄与する。高崎サプライ倉庫が地理的にも主要高速道路にアクセスのよい立地に位置していることから、輸送の効率化も実現。トラックの走行距離を年間で約200万㎞削減することが可能になり、「2024年問題」への対応強化にもつながる。
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