カーゴニュース 2025年4月1日 第5327号
東京都トラック運送事業協同組合連合会(東ト協連、椎名幸子会長)はこのほど、第42回「運賃動向に関するアンケート調査」の結果を公表した。アンケートは197事業者を対象に行われ、158事業者(80・2%)が回答。前回調査(2024年7月31日)から6ヵ月後の1月31日に実施した。
調査結果によると、現在収受している運賃料金について、「標準的な運賃」よりも「低い」と答えた事業者は、「極めて低い」「低い」「少し低い」を合わせて80・9%で前回から5・3pt減となった。調査開始以来初の減少となるなど改善の傾向が見られたものの、依然として厳しい状況にある〈表〉。
最近半年間の運賃収受状況の変化については、「値上げになった」が34・0%で前回から17・2ptの大幅減に転じたが、東ト協連では「荷主側の改定時期と調査時点の関係と推察される」と分析。これから半年後の運賃収受状況に関しては、「値上げできるだろう」が31・2%で、前回から10・0pt増となるなど、収受状況の改善を期待する声も見られる。
標準的な運賃、7割が「届けた」
国土交通省が昨年3月に告示した標準的な運賃の届出状況をみると、68・4%の事業者が「届けた」と回答し、前回から14・8ptの2ケタ増となった。「令和2年4月告示を継続使用」は14・6%となり、「届出する予定」(6・3%)も合わせると、合計89・3%の高水準となった。
また、荷主への交渉状況では、「交渉した」が41・4%で最多となり、次いで「交渉する予定」が24・3%。「交渉できない」は10・7%となっている。交渉の結果では、「認められた」が31・0%で、前回から10・0pt減と後退。「認められなかった」と答えた事業者は20・7%で、最多である「継続し交渉中」が37・9%となるなど、交渉には粘り強さが求められることがわかる。
ドライバーの平均年齢、「50歳以上」が7割に
半年前と比較した荷動きの動向については、「ほとんど変わらない」が62・2%で最多だった。一方、「かなり悪くなった」は2・7%で0・9pt減、「悪くなってきている」は24・3%で5・0pt減となり合計27・0%で、5・9ptの減少。「よくなった」「かなりよくなった」の合計は10・8%で2・4ptの増加に好転した。半年後の荷動きについては「ほとんど変わらない」が69・9%と最多だった。
ドライバーの平均年齢では、「50歳以上~55歳未満」が48・7%で最多となり、前回から5・6pt増加した。次いで「45歳以上~50歳未満」が23・7%となり、「55歳以上~60歳未満」が15・4%、「40歳以上~45歳未満」が6・4%、「60歳以上~65歳未満」が3・8%、「65歳以上」が1・9%と続く。「35歳以上~40歳未満」と「35歳未満」はともに0%となった。50歳以上のドライバーは69・8%で、前回から3・9pt増加して約7割に達し、ドライバーの高齢化と若年層の採用不足が顕著となっている。
ドライバーの賃上げ額、大幅増で1万円超えに
「2024年問題」の対応状況については、「社内対策」では最多の「拘束時間、労働時間管理の徹底(日々管理、週間管理)」が39・1%で3・2pt減。次いで「デジタコ、運行管理システムなどのITの活用」が21・1%となり、「配送ルート・運行計画等の見直し」(19・9%)、「従業員の労働時間減少への対応(稼働減による賃金減とならない賃金体系の見直し)」(18・0%)と続く。「荷主等対策」では「待機時間の減少による拘束時間・労働時間の短縮」(44・3%)が最多で、「運賃の値上げ(運送原価計算に基づく根拠のある値上げ要請)」が31・4%、「配送効率の向上(過度な多頻度小口輸送などの見直し)」が22・2%となった。
ドライバーのベースアップについては、「行った」が40・3%で前回から11・6ptの減少。しかし、「行う予定」は18・8%で前回から16・2ptの増加となり、「臨時給与を支給した」(5・2%)との合計は64・3%で、賃上げに前向きな事業者は前回から9・8pt増加した。賃上げ額は平均1万1900円で前回から5700円の大幅増となった。一方、ベースアップを「行わない」と答えたのは13・0%となり、10・4ptの減少だった。
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