カーゴニュース 2025年8月7日 第5362号
アダストリア(本社・東京都渋谷区、木村治社長)と子会社で物流業務を手がけるアダストリア・ロジスティクス(本社・茨城県茨城町、大塚健志社長)はこのほど、「アダストリア常総物流センター」(茨城県常総市)に最新物流機器を導入し、庫内物流業務のオートメーション化を実現した。CTU(コンテナ移載ロボット)やLMR(潜入式搬送ロボット)、自動仕分け用のAGV(無人搬送車)の導入などにより、物流効率の最大6割向上を達成した。
CTUとLMRの連携で保管・搬送を自動化
同センターはグッドマンジャパンが開発した「グッドマン常総」の3階に入居しており、倉庫面積は約2万5000㎡。現在、9ブランドの商品を扱っており、今年末には11ブランドを取り扱う計画。今回、アダストリアの事業成長に伴う物流の増加に対し、人手不足や人件費上昇といった課題に対応するため、倉庫面積の約半分で6月までにオートメーション化を実現した。
具体的なオペレーションでは、入荷した商品は検品後、専用コンテナに詰め替えられる。作業員がポッドにコンテナを積載すると、HIK ROBOT製のLMRがポッドを指定の場所へと搬送し、CTU(HIK ROBOT製)がコンテナを高層ラックへと格納する。
出荷時には、CTUが高層ラックから必要なコンテナを取り出してポッドに載せ替えた後、LMRがポッドをピッキングエリアへと搬送する。CTUは夜間の稼働にも対応しており、夜のうちに高層ラックからポッドへとコンテナを移し替えて、午前中にはピッキング作業を行えるようにすることも可能だ。
「t―Sort」を国大最大規模の120台導入
ピッキングされた商品は、3区画をまたいで設けられた仕分けエリアへと運ばれる。商品をLbiao製のAGV「t―Sort」を投入すると、出荷先の店舗ごとの間口に置かれた段ボールに自動で仕分けされる。間口は800店舗分を設けた。また、「t―Sort」の架台の上下にコンベアを整備。上部のコンベアから製緘された空の段ボールが流れてきて、空いた間口に補充でき、下部のコンベアでは必要な量の商品が仕分けられた段ボールをそのまま梱包エリアへと流すことができる。その後、梱包エリアで自動封緘機により封緘され、送り状の発行・貼付が行われる。
「t―Sort」は国内最大規模となる120台を導入したほか、CTUとLMRは各50台を導入した。これらの自動化機器を連携することで、作業者がセンター内を歩き回る手間を大幅に削減。また、作業がシンプルになることで、経験の浅い作業者でも熟練の作業者と同等の生産性を実現できる。これにより、入荷工程では、生産性(1時間あたりの処理件数)を40%、キャパシティ(1日あたりの最大作業量)を60%向上。出荷工程では、生産性を60%、キャパシティを40%向上させた。
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