カーゴニュース 2025年9月25日 第5373号
経済産業省、農林水産省、国土交通省の3省は18、19日の2日間、物流効率化法(改正物効法)が定める特定荷主制度に関する荷主向け説明会をオンライン方式で開催した。8月29日に改正物効法の施行省令が公布されたことを受け、特定荷主・特定連鎖化事業者(大手フランチャイズチェーン本部など)に課せられる様々な義務事項を周知するために開催したもの。
特定荷主・特定連鎖化事業者は国が指定するが、実際には国の指定に先立ち、各社が自主的に「特定対象」となるかを判断し、届出を行う必要がある。国は届出を受けた後、各社を特定荷主・特定連鎖化事業者に指定する。届出がなければ国は指定できないため、届出を行わない企業や虚偽の届出を行った企業には50万円以下の罰金を科すこととしている。「特定」指定された企業は「物流統括管理者(CLO)」の選任をはじめ、中長期計画の策定や定期報告の提出など様々な義務項目を実施する必要がある〈図〉。
「特定荷主の手引き」を来月公表
必要な届出はオンライン方式でデジタル文書として取り扱う方式としており、様式(フォーマット)に必要事項を記入することで届出文書を簡易に作成できるようにする。現在、記載事項を解説し、届出フォーマットを掲載した「特定荷主の手引き(仮称)」を作成中で、10月に公表する予定。事業所管省庁は届出を円滑に行うために「手引き」の活用を推奨している。そのほか、荷主に適用される判断基準の解説書や、様々な物流パターンでの荷主のあり方、取り組み事例集などは経産省HPで公開されている。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/butsuryu-kouritsuka.html
国は26年4~5月の間に順次、特定荷主・特定連鎖化事業者を指定する方針で、指定された企業は速やかに「CLO」を選任し、事業所管省庁に届出を行う必要がある。制度開始となる26年度に限って中長期計画の提出期限が10月末となっていることから、中長期計画の提出前には「CLO」の届出を行う必要がある。届出を行わなかった場合や虚偽の届出を行った場合は20万円の過料が適用され、選任を拒んだ場合は100万円の罰金が科せられる。
「特定荷主」以外にも国が指導・助言
改正物効法は、特定荷主に指定されなかった企業に必須義務を設けていないものの、すべての荷主に物流改善の努力義務を課している。特定荷主以外の企業であっても、トラックの待機時間や荷役時間の削減を怠っていると事業所管省庁が判断した際は、当該企業に指導・助言を行うこととしている。
また、発荷主として取り組んでいるにもかかわらず、着荷主の協力が得られないために待機・荷役時間の削減を実施できない場合、発荷主は国交省が設置した「トラック・物流Gメン」に情報提供し、相談できるようにした。
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