カーゴニュース 2025年9月25日 第5373号
ダンロップタイヤ(本社・東京都江東区、河瀬二朗社長)は9日、「ツインメッセ静岡」(静岡市駿河区)で、「第15回DTS全国TBタイヤ作業コンテスト」を開催した。
このコンテストは、安全・確実・効率的な作業の徹底と作業標準化を図り、作業従事者の安全確保や作業レベルやモチベーションの向上を図るとともに、技術の伝承と浸透を目的とするもので、2010年から開催している。全国の直営店とパートナー店で構成するダンロップタイヤショップグループ(DTS)の作業従事者のうち、ダンロップ独自の作業指導者認定制度の認定者が参加できる。今年は10エリアで行われた地区予選に50人が挑み、予選を勝ち抜いた12人が全国大会に臨んだ。
トラック・バス(T・B)タイヤの基礎や商品・業界の知識のほか時事問題などを問う「筆記試験」と「実技」による総合ポイント制で行われ、今回は、タイヤ空気圧監視システム(TPMS)センサーへの対応力とそれによる安全・効率・信頼の向上をテーマに掲げた。実技は、①運行中にTPMSアラートが作動したため来店②点検の結果、タイヤ摩耗と空気圧低下が確認された――を前提として行われ、TPMSセンサー付きホイールのタイヤ組み換え作業は適切か、丁寧な清掃・点検、確実な車輪脱着作業が行われているか、などをポイントに審査された。昨年は実技を3つのパートに分けて実施したが、今回はタイヤの組み換えと車輪脱着作業、作業報告までの一連の流れを審査する形式に変更。水分補給の時間を設けたほか熱中症対策ウォッチの着用など、万全の猛暑対策のもと進められた。
開会式で挨拶した河瀬社長は「TPMSは普及が進んでおり今後は標準対応が求められる技術だ。現場の対応力も含めTPMSへの理解と実践力がますます重要となる」と、TPMSをテーマに掲げた主旨を説明。また、業界全体で取り組んでいる大型車の車輪脱落事故防止に触れ、「23年度には過去最多となる脱落事故が発生し、基本作業の重要性があらためて問われている」とし、「このコンテストは、こうした現場の課題に真正面から向き合い、安全作業の徹底と技術力の向上を図るとともに、現場で求められる対応力を磨き未来へとつなげる場でもある。日ごろの成果を存分に発揮し、タイヤ業界全体の安全意識向上に貢献してほしい」と激励した。
なお、今回のコンテストは、中部カンパニーDTS・比良タイヤ工業所の片岡祐太さんが優勝した。
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