「けやき」外観

カーゴニュース 2025年11月18日 第5388号

新日本海フェリー
新造船「けやき」小樽~舞鶴航路で就航

陸送との連携で一貫輸送を提供

2025/11/17 16:00
全文公開記事 海運

 新日本海フェリー(本社・大阪市北区、入谷泰生社長)は14日、新造船「けやき」の小樽~舞鶴航路での就航を開始した。同日23時30分小樽発が初就航となり、現行船「はまなす」の代替船として北海道と京都を結ぶ主要航路で運航する。同航路では今後、2026年6月に姉妹船である新「はまなす」の就航を予定しており、2隻体制での運航となる。


 12日に舞鶴フェリーターミナルで行われた内覧会には、新日本海フェリーや関係事業者、自治体関係者など多数が参加した。入谷社長は「舞鶴~小樽航路の開設は関西と北海道の物流と人流創出を目的としており、今回新造船を投入できることは感無量だ。『けやき』は大幅な省エネを実現しており、環境負荷低減に非常に期待している」と挨拶。モーダルシフト需要の取り込みに関し「同航路で運ばれるトラックの8~9割が無人航送によるもの。今後も『2024年問題』への対応で無人化の傾向が進むと見ている。関係会社のマリネックスによる陸送と連携することで、ドア・ツー・ドアの一貫輸送を提供していく」と述べた。加えて、同航路における貨物の需要については「北海道からの貨物は季節によって種類は異なるものの農産物が多い。舞鶴からの貨物は消費財などが多く、年間で安定した需要がある」と説明した。

 

 さらに、京都府の武田一寧副知事が祝辞を述べ「新日本海フェリーの貨物船で取り扱う貨物量は、舞鶴港で取り扱う貨物量の半数を占めており、舞鶴港が関西圏唯一の日本海側の長距離航路として重要な役割を果たせているのも同社のおかげだ。『けやき』の就航は同港のさらなる発展につながると期待しており、人流・物流の面から長く愛される船になると確信している。京都府としても荷主へのセールス活動、ニーズに応じた港湾整備などを進めていく」と期待を寄せた。

 

ドライバー個室を30人分整備、専用レストランも

 

 「けやき」は、小樽~舞鶴間を片道約21時間で到着し、現地で約3時間停泊する。三菱重工業の下関造船所で建造され、全長199・0mで総トン数1万4157t。主機は8540kwが4基で、航海速力は28・3ノットとなる。トラック約150台、乗用車約30台を積載可能で、旅客定員は286人。船内には専用個室のドライバールームを30人分整備したほか、ドライバー専用のバスルームや化粧室に加え、ドライバー専用のレストランも整備した。

ドライバールームは30人分の個室を整備
ドライバー専用のレストラン

 国内のフェリーで初めてダックテールを有するパドックフロー船尾船型や垂直船首形状など最新鋭の省エネ船型を採用。また、アンチローリングタンクとフィンスタビライザを組み合わせた省エネ型減揺システムにより抵抗を低減し、従来船と比べて約5%の省エネを実現している。


 船名である「けやき」は舞鶴市の市木。新日本海フェリーは由来として「強健で大地にしっかりと根を張り、力強く空に向かって成長していく様子は関西と北海道を観光と物流でつなぐ新造船の名にふさわしい」とコメントした。

武田副知事(左)と入谷社長
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