カーゴニュース 2025年11月20日 第5389号
12日に開催された参議院予算委員会でトラックドライバーの賃上げと労働時間改善に関する質疑応答が行われた。国民民主党の榛葉賀津也参議院議員(静岡選挙区)が物流の担い手であるトラックドライバーの待遇や労働環境の改善を訴えた。
榛葉氏は物流の「2024年問題」に対する国土交通省の取り組みなどについて質問。これに対し、金子恭之国交大臣は「2024年に発生すると懸念された輸送力不足は、政府の施策や官民一体の努力により回避されたものの、30年度には3割の輸送力不足が生じる可能性が推計されている」と説明。現在策定に向けて検討中の次期「総合物流施策大綱」に基づく施策を遂行することで将来の輸送力不足などの課題解消を図る考えを示した。
また、榛葉氏は物流の担い手であるトラックドライバーの賃金が他産業よりも低く、長時間労働など待遇改善と労働環境改善が喫緊の課題であるとして、解消の方向性を質問した。
金子国交大臣は、多重下請構造がドライバーの賃上げの阻害要因のひとつとして認め「荷主やトラック運送業者に対し規制的措置を実施する改正物流法などに基づく様々な施策を実施し、荷主と事業者の取引環境の改善を図ることでドライバーの賃金引き上げを実現していく」との考えを表明。併せて、同省の沓掛敏夫道路局長がドライバーの休憩時間取得に資するよう高速道路のPA・SAの駐車マス拡充に取り組んでいることを報告した。
一連の質疑応答を踏まえ、榛葉氏は高市早苗首相に対し「トラックドライバーは日本の宝だ。ぜひドライバーたちを守っていただきたい」と語りかけた。
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