カーゴニュース 2024年6月6日 第5248号
三和倉庫の子会社で危険物・毒劇物・高圧ガスなどの輸送を手掛ける三倉運輸(本社・千葉県市原市、大山隆光社長)では、危険物輸送中に携行する「イエローカード」をキャビンの外に設置した専用ボックス(写真)にも搭載。万一事故があった際に、ドライバー以外でも「イエローカード」の所在がわかるようにしている。
ウイング車、平ボディ車、液化ガス用車両、粉体用車両、液体用車両、脱着式ローリー、産業廃棄物専用車両といった多彩な車種45台を運行。危険物、毒劇物、高圧ガス、医薬品など高度なノウハウが求められる輸送に特化し、硫酸の再利用にかかわる産業廃棄物の収集運搬など特殊な輸送も担っている。
同社が安全確保において工夫しているのが「イエローカード」の携行方法だ。危険物輸送中に事故が発生すると人命、積荷または道路、近隣へ重大な影響を及ぼすおそれがあるため、運行中には、輸送品の名称や酒類、事故発生時にドライバーや警察、消防などがとるべき応急措置を記載した「イエローカード」の携行が義務付けられている。
事業者は「イエローカード」を作成し、それに基づいてドライバー教育を行い、輸送中には常時携行させなければならず、通常、運転席の目につきやすい場所に設置。三倉運輸では、ドライバーが運転席に戻れないケースも想定し、運転席だけでなく、キャビンの外に設けた専用ボックスにも「イエローカード」を搭載し、所在をわかりやすく明示している。
親会社の三和倉庫では、日本曹達グループの一員として高いレベルの安全・品質体制を構築するため、「化学品アドバイザー」を設置。三倉運輸でもドライバーを含めた全従業員が「化学品アドバイザー」の研修を受講する。習熟度を確認するための“試験”も実施され、化学品輸送のスペシャリストの養成に注力している。
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