カーゴニュース 2026年9月3日 第5464号

一松東京税関長/就任会見
「税関の役割高まっている。官民連携で推進」

2026/09/02 16:00
全文公開記事 行政・立法 グローバル物流

 8月7日付で東京税関長に就任した一松旬氏(写真)が同月28日に就任会見を行い、「経済安全保障環境が大きく変わるなかで、税関の役割は非常に高まっている。東京税関長としての職責を全うすべく全力で取り組む」と抱負を述べた。

 

 一松氏は冒頭、「これまで財務省で税財政に長く携わってきたが、税関行政は初めて。東京税関は管内に成田空港、羽田空港という2大空港、日本一のコンテナ取扱量を誇る東京港を抱えている。約3300人の職員を擁する大組織であり、全国の税関行政をリードする立場にもある。そのような重要な仕事に携わることを光栄に思っている」と述べ、「安全・安心な社会の実現、適正かつ公平な関税等の徴収、貿易円滑化の推進――という税関の3つの使命に全力で取り組んでいきたい」と語った。

 

 安全・安心な社会の実現では「昨年の不正薬物の管内での押収量は約2・7tと過去最高に達しており、極めて深刻な状況」と指摘。社会悪物品を水際で阻止することが重要な使命だと強調した。また、喫緊の課題として金密輸対策を挙げ、「年々組織的かつ手口が巧妙化している。犯罪組織の資金源になっている懸念もあり、税関の根幹を揺るがしかねない」と述べ、対策を強化していく考えを示した。

 

 適正かつ公平な関税等の徴収では「令和7年度の関税・輸入消費税の徴収額は約13・9兆円にのぼり、国税収入の15・3%を占めている。重要な徴収機関としての役割を担っている」とした。

 

 貿易円滑化の推進では「関係行政機関や関係団体、貿易関係事業者との連携が欠かせない。引き続き、関係者との信頼関係を維持・強化し、経済連携協定(EPA)の一層の利活用支援など、貿易円滑化を通じて我が国経済の発展に貢献していきたい」と述べた。

 

 さらに「越境ECの拡大による少額輸入貨物の急増や、訪日外国人の増加など税関を取り巻く環境は大きく変化している。今年6月に策定された『税関中長期構想2030』に示された方針に沿って、東京税関も関税業務のデジタル化による高度化・効率化を推進していく。やりがいを持って業務に取り組める職場環境の整備も重要な職務だ」と強調した。

 

 「税関中長期構想2030」で、成田など大規模空港内に「航空貨物検査センター」(仮称)を新設して航空小口貨物を全量X線検査する方針が示されたことについて、「空港整備段階から小口貨物の全量検査を前提とし、オートメーションによるX線検査と貨物のリスク分析・解析を実現していきたい。成田空港は現在、第2の開港プロジェクトを進めており、空港会社と必要な協議や検討を進めていきたい」と述べた。

 

 主計局次長から東京税関長への就任は異例な人事ではとの指摘については、「私自身の人事について申し上げる立場にない。東京税関長というやりがいのある職責に全身全霊を尽くしていく」と述べるにとどめた。

 

 一松氏の略歴は次の通り。

 

 一松 旬(ひとつまつ・じゅん)

 1995年東大法卒、同年大蔵省(現・財務省)入省。主計局主計官補佐、奈良県副知事などを経て、2018年主計局調査課長、19年主計局主計官、23年内閣総理大臣秘書官、25年7月大臣官房審議官、同年10月主計局次長、26年8月現職

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