カーゴニュース 2026年10月8日 第5473号
日本企業の「中国離れ」が進んでいる。帝国データバンクの調査によると、中国に進出する日本企業は、2026年6月時点で1万118社判明し、前回調査時点の24年(1万3034社)から22・4%減少。過去最も進出社数が多かった12年(1万4394社)に比べると29・7%減少した。また、統計データのある10年調査以降、中国への進出社数としては最少だった。製造業は軽工業・繊維産業など「労働集約型」業種で縮小がみられ、現地の人件費上昇やサプライチェーン再編の影響を受け、チャイナプラスワンや国内回帰など中国外へ移転・分散した可能性もある。
近年は日中関係の悪化に加え、不動産不況による中国国内の景気停滞、レアアース(希土類)の輸出制限といった経済的威圧行為、改正反スパイ法や過剰生産問題、政府の支援を受けた中国現地企業との低価格競争といった各種カントリーリスクが高まっている。
こうした中国事業の「予見できないリスク」に対する高度なリスク管理能力が求められるなか、企業規模によって中国市場の見極めが進んでいる可能性がある。ベトナムをはじめとする東南アジア諸国や日本国内に拠点を移設・分散させるサプライチェーン再編の動きも目立ち、「安価な生産基地」としての重要性が低下している点も、中小零細企業における中国事業の縮小・撤退を誘発する要因になっている。
帝国データバンクでは、「中国では依然として巨大な消費市場と充実したサプライチェーンを有しており、日本企業にとって重要な事業基盤であることに変わりはない」としつつ、「米中対立や地政学リスク、中国経済の減速、人件費上昇に加え、中国企業の台頭による競争の激化なども重なり、中国市場への過度な依存を見直す動きが強まっている」と報告。当面は中国リスクを前提とした対中ビジネスを行うものの、中長期的には中国市場への依存度を引き下げる目的で、現地法人の統合や閉鎖を伴う「中国撤退」の動きが強まる可能性があると分析している。
購読残数: / 本
恐れ入りますが、ログインをした後に再度印刷をしてください。