カーゴニュース 2026年6月2日 第5439号
東京港で海上コンテナドレージ運賃が上昇している。海コン輸送からの撤退などにより需給がひっ迫し、ドレージ会社が値上げ交渉を進めやすい環境になってきたためだ。足元では、青海公共コンテナふ頭で今春開業したターミナルの長時間待機が深刻な問題となっているが、待機料やチャージ料の請求が浸透しつつある。
長時間待機で価格交渉の潮目が変化
一般のトラックに比べて値上げが遅れていた海コンドレージ。ここへ来て、値上げが浸透してきている。その背景にあるのが、需給バランスの変化。東京港ではCTでの並びにより拘束時間が長い割には“稼げない”海コン輸送から撤退する運送会社が年々増えており、東京都トラック協会海上コンテナ専門部会の調査によると、平均稼働台数は15年前と比べると約3割減少している。
東京港でドレージがひっ迫し、徐々に売り手市場に移行している中で、値上げの決定打となったのが、昨年9月に、青海公共CTで起きたシステム障害に伴う大混雑。10時間以上の待機が発生し、ドレージ会社から直接の荷主である海貨業者への待機料の請求が殺到したため、価格交渉の潮目が変わった。
ドレージ会社に聞くと、1年前と比べ3~5割の値上げが実現した例もある。CTでの荷待ちについても待機料の請求が浸透。混雑のひどいCTからの搬出入に対する「割増料金」や、翌日の運行に支障をきたす「午後9時以降のCT待機」に「深夜割増料金」を設定したり、待機料とは別建てでチャージを請求するなど転嫁が進んだ。
「運賃バブル」懸念、荷主は揚げ地変更も
青海公共CTの再整備事業に伴い、3月31日に新たに開業したA3ターミナルでは、遠隔操作が可能なRTG(タイヤ式トランスファークレーン)を導入。5月の連休明けから混雑が深刻化し、ひどい時には12時間待ちも発生する事態となり、ドレージ会社から海貨業者に待機料やチャージ料を請求する動きが加速している。
待機料等の請求にあたり、デジタコのデータやゲートイン・アウトの時間など待機の証跡を提示するドレージ会社がある一方で、根拠もなく通常の3~5倍の運賃を「ふっかける」会社もある。「荷主と取引を維持するためにどうしてもドレージを確保したい海貨業者は、高額な運賃も受け入れざるをえない」事情もあるようだ。
燃料費、人件費をはじめ各種コストが上昇しているなかで、ドレージ関係者は値上げの進展を歓迎する一方、「運賃バブル」には懸念も示す。東京港のドレージ不足、運賃上昇を受けて、一部の海貨業者は荷主への転嫁を始め、荷主が他港に揚げ地を変更するケースも出てきたためだ。
あるドレージ会社の幹部は、CTでの長時間待機に関し、待機料やチャージ料など「『お金を払って解決する』風潮が生まれては困る」と強調する。荷待ちの解消により回転率が上がり、“稼げる”ようになることが本筋だとし、「『料金の収受』ではなく、あくまでも荷待ちの『改善』をゴールと位置付けている」と話す。
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